抜群の眺望を誇る玄岳へ【miteco登山部】
神秘の泉?「氷ヶ池」も忘れずに!

  • posted.2017/07/14
  • Takashi
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抜群の眺望を誇る玄岳へ【miteco登山部】 神秘の泉?「氷ヶ池」も忘れずに!

miteco編集部も参加中の登山連載、今回は田方郡函南町と伊豆の国市、熱海市にまたがる「玄岳」という山を歩いてきました。

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登山道の入口と登山者用の駐車場もある伊豆スカイライン。

伊豆半島の3市町にまたがる玄岳。

玄岳は標高799.2m。熱海駅からバス、登山口前のバス停で降り、そこから徒歩というのが正規のルートですが、途中まで車で行ける別の登山道もあったので、このたび後者を選びました。その選択をあとでちょっぴり悔やむことになるのですが……。

玄岳は伊豆スカイラインから山頂まであっという間

伊豆スカイライン玄岳ICからすぐの道路沿いにある、登山者用パーキングに車を停めてスタート。丹那盆地に駿河湾、富士山まで見えるなど、この時点で眺望はよく、山頂はさぞかし絶景だろうと期待に胸が膨らみます。

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両脇を熊笹に覆われた登山道をズンズン進みます。とにかく狭くてしばらくは身を屈めながら前進。足の踏み場に丈の伸びた笹もあり、気を付けないと刺さりそう。丈夫な登山靴でないと危ない。

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20分も歩けば視界も開けてきて、遠景を楽しめるほどに。1本道なので迷うこともありません。直射日光があたるので、日除け対策は必須。

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徒歩30分、はい到着。……って、早すぎるだろおい。

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この眺望は静岡随一といっても過言ではないスケール。南アルプスに富士山、箱根山、天城山、神奈川の真鶴半島まで見渡す360度のランドスケープは圧巻です。

でも……。

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心なしか、私の表情も不満げ。

道すがらの楽しみが薄く、たいした苦労もなかったからでしょう。やはり正攻法で登るべきだった、と後悔していたところ、正規のルートから来たふたりのご婦人に出会いました。

「この時期にしては珍しく、富士山が見えてよかったですね。どこからいらしたの? まあ、静岡から。どこから登ってきましたの? あらそう、車……

一瞬失笑されたような気もしましたが軽く受けながし、いま来たルートから戻っていくのを見送りました。そちらにはなにやらユニークな看板もあるとかで、気になる気になる……。

しばらく考えた挙げ句、決心。「正規のルートから下山しよう」。……車があるのでまた戻らなければならないが。

緑のシャワーで心が新品!

山頂はちょっとした広場になっていますが、陽を遮るものがなく、お昼休憩にはちょっと不向き。ちなみに正規ルートは、玄岳山頂の看板裏から正面に向かった道です。

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ここをズンズン下っていきます。うーむ。登山道の雰囲気が、やはりこちらのほうがよい気がする……。足の踏み場に笹が伸びていることもなく歩きやすい。

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看板発見……氷ヶ池、ってなんだっけ? とりあえずは気にせず熱海市街方面へ下ります。とはいえ、さすがに市街まで降りてしまうとあとがキツいな。時間もないな。そうだ、先ほどご婦人が話していた看板を目指すことにしよう。

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次第に土が赤っぽくなってきます。このあたりはだいぶすべりやすいので、やはり靴はしっかりしたもので。木漏れ日と鳥のさえずりが心地いい。……とそこに、なにやら変わった看板を発見!

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「帰る時、私は新品です」って……。なかなかの名フレーズではないか。ご婦人が話していたのはコレのことだな。

ここまで下山に要した時間が30分ほどだから、登山時は1時間といったところ。となるとやはり体力的にもキツいからここで引き返そう。先ほどの氷ヶ池という場所も気になる。

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正規のルートを登ってみると、視界に山頂をとらえたときの爽快感もひとしお。横着すべきでないということを学んだ気がしました。

山頂or氷ヶ池??

正規のルートから登った場合、先ほどの氷ヶ池に寄るかそのまま山頂へ行くか、迷うところでしょう。気になったので残る体力を振りしぼり、氷ヶ池方面へ下ってみます。

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10分ほど下ると、伊豆スカイラインの下を通過する道に。あれ、なんだ。これなら山頂へ戻らずとも駐車場へ引き返せるではないか。ラッキー

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これはまさに、駐車場から俯瞰した景色。なーんだ、そういうことか。そして、山の内部をそこだけ切り取ったような池が見えてきました。

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調べてみると、かつては冬場、この池に張った氷を切り出して、熱海市街に運んでいたのだとか。池のすぐ近くまで行けますし、正面には富士山も見えます。

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昼休憩はここでとるのがよさそう。とても神秘的な光景で、気持ちがいい。風も山頂ほど強くありません。このあたりを俯瞰した景色は、こんな感じに。

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「抹茶のおだんご」がたくさんあるみたいですね。やっぱり、最初から普通に登るんだったなあと反省。今回は少しイレギュラーな紹介になりますが、綿密な調査のうえ、正規のルートを推奨ルートとして下記にまとめています。参考にしてください。

※駐車場へ戻るには、伊豆スカイラインを横断することになります。通行する車に十分注意してください。

玄岳ハイクのまとめ

玄岳ハイクのアクセスやアドバイスを以下にまとめました。調査を踏まえた正規のルートで、熱海市街からのスタートです。

  • ライター登山日

2017年5月29日

  • アクセス

JR熱海駅から東海バス「ひばりヶ丘」行き約20分、玄岳ハイクコース入口下車(公共交通機関)

  • 往復歩行時間目安(昼休憩などをのぞく)

約3時間30分

  • アドバイス

玄岳ハイクコース入口バス停から少し戻った場所に「玄岳ハイクコース入口」の標識があります。登山道一部では背よりも高い熊笹が茂っている場合があるので、肌を露出しない恰好で。途中に水場やトイレはなし。すべりやすい箇所もあるので注意。

  • 寄り道スポット

・熱海駅周辺:日帰り温泉施設が点在するほか、駅前に足湯もある。昨今話題の駅ビル「ラスカ熱海」にも寄っていきたい。

・熱海城:mitecoでの掲載歴あり。東洋のナポリと称される夜景は圧巻!

  • 参考サイト

東海バス 熱海エリア モデルコース

伊豆半島の魅力、まだまだあります

玄岳

住所:〒413-0033 静岡県熱海市熱海