自由なアイデアでいざ勝負・・・ひらめけ!!
第1回「ザ・斬新パスタレシピグランプリ」!!
とある日、ひとつの戦いが始まろうとしていた――。
ゲンポウ |
・・・ッ! 第1回!!! ひらめけ!! ザ・斬新パスタレシピグランプリィ!!!!!! |
マサト |
・・・。 |
ゲンポウ |
よいしょ!! さあ、それでは、さっそくルール説明にうつ――。 |
マサト |
いや待って、ちょっと待って。 |
ゲンポウ |
ん? どうしましたかマサトさん。 |
マサト |
いや、どうしたっていうか、なにこれ? |
ゲンポウ |
なにといいますと? |
マサト |
いきなりすぎてなにも理解できてないんだけど。これ読んでくれてる人、誰も理解できてないよ。 |
ゲンポウ |
あ、失敬失敬。説明を忘れてしまっていました。まず、僕が無類のパスタ好きなのは周知の事実じゃん? |
マサト |
いや、はじめて聞いたけど。 |
ゲンポウ |
しかし私は、ある緊急事態に直面しているのです・・・(ゴクリ)。 |
マサト |
全然聞いてないね。 |
ゲンポウ |
それはズバリ・・・。飽きた!!!! |
マサト |
帰る。 |
ゲンポウ |
え、いや、ちょっと待って。どうしたの!? |
マサト |
理解した。「パスタの味のレパートリーが無くなったから一緒に考えてくれ」ってことでしょ? 僕もそこまで暇ではないので、今日は帰らせてもらいます。 |
ゲンポウ |
待って、ほんとごめん! お願いします! 死活問題なんです!! |
マサト |
無理です。 |
ゲンポウ |
そこをなんとか!! イチゴサンドあげるから! |
マサト |
・・・2時間だけね。 |
ルール説明のあとはゲスト審査員も登場!
ゲンポウ |
ということで気を取り直してルール説明を。マサトくんと僕合計で30個、味のレパートリーを交互に考えていきたいと思います。 |
マサト |
30ってのは1か月毎日違う味を食べられるように? |
ゲンポウ |
さすがマサトくん、ご名答! そして、そのなかでもっとも食べてみたいものを審査員に評価してもらいたいと思います。 |
マサト |
審査員? |
ゲンポウ |
ゲスト審査員はこちら。キングオブグルメでおなじみナイトウケンシさんです!!! |
ケンシ |
よろしくお願いします!!!! |
ナイトウケンシくん。僕たちと同じ文芸大生(静岡県立文化芸術大学)。趣味はカメラ、カフェ巡り。料理も得意とのこと。
マサト |
いや、キングオブグルメなんて聞いたことないし。なにしてんの? |
ケンシ |
得意料理はペスカトーレです!!! |
マサト |
おしゃれかよ。というか話聞かないやつばっかりだな。 |
ケンシ |
僕も一応メニュー考えたんで、先に発表してもいいですか? |
ゲンポウ |
あ、それは気になりますな。 |
ケンシ |
僕が考えたのはこちらです! |
H.M.P
浜松名物パスタの略。パスタの上に浜松の名産品が贅沢に乗せられている。
マサト |
H.M.P・・・? |
ケンシ |
「浜松パスタ」の略です! 餃子、ウナギなど浜松の名産を詰め込んでみました! |
ゲンポウ |
おぉ~、めっちゃ稼げそう。いいね! |
マサト |
感想が不純だな。あとカロリーやばそうだし。 |
ケンシ |
まあまあ。それではさっそく、レディファイ!! |
両者ともに真剣な表情
マサト |
はい! |
ケンシ |
お、先攻はマサト選手! |
T.K.P
卵かけパスタの略。オリーブオイルとこしょうのみのシンプルな味付け。パスタの上にねぎを散らし、そのあと卵を乗っければ完成。
マサト |
僕が考えたのは、「T.K.P」です! |
ゲンポウ |
流行に乗ろうとしてる感がスゴイ。 |
ケンシ |
しかし、卵とパスタは相性いいですからね。なかなか悪くないですよ。7ポイント! |
マサト |
よっしゃ! ていうかポイント制なのね。 |
ゲンポウ |
じゃあ、僕も! |
ケンシ |
・・・? |
マサト |
この茶色いのはなに? |
ゲンポウ |
フッフッフ、よく聞いてくれました。僕が考えたのは「グラノーラパスタ」です! |
グラノーラパスタ
パスタにグラノーラを混ぜたオリジナリティ溢れるパスタ。「健康にいい!」「OLに大人気!」らしいが・・・。
ケンシ |
うっわぁ・・・。 |
マサト |
主食に主食混ぜちゃってるじゃん。 |
ゲンポウ |
けど、最近の女子ってグラノーラとか好きでしょ? 好感度上がるかなって。 |
マサト |
最低。 |
ケンシ |
これはおそらくおいしくないし、理由がひどいのでマイナス10点です!! |
ゲンポウ選手、いきなりマイナスからのスタートです。挽回できるのでしょうか。
マサト |
しかし、思ったより考えつかないね。 |
ゲンポウ |
う~~~ん、はい!! |
ケンシ |
お。連続での発表。次はちゃんとしてくださいよ。どうぞ! |
ゲンポウ |
大丈夫、わりと自信あるので。ドン! |
ゲンポウ |
「クリオネパスタ」です!!! |
クリオネパスタ
???
マサト |
は? |
ケンシ |
え? えっ? |
ゲンポウ |
ん? |
マサト |
これはひどいよ・・・。 |
ゲンポウ |
前にスーパー行ったら、クリオネが売っているのを見かけてね。入れたら面白いかなって。 |
マサト |
ふざけちゃってるじゃん。 |
ケンシ |
この黒いのはなんですか? |
ゲンポウ |
あ、それは海苔です。和風であっさりどうぞ。 |
マサト |
いや、どうぞじゃなくて。全然食べたくないんだけど。 |
ケンシ |
クリオネはさすがの僕も食べたことないので分かりませんね。一応、3ポイントあげます。 |
ちなみにクリオネは魚市場などでも売られていることがありますが、基本的に食用ではありませんのでご注意を。
マサト |
じゃあ、次は僕! |
マサト |
「富士山パスタ」です!! |
富士山パスタ
パスタの上にブルーハワイのかき氷と練乳がかかって・・・?
ゲンポウ |
さすがの僕でもこれはダメだと思う。 |
ケンシ |
いやしかし、最近はスイーツ系のインスタント麺も流行ってるし。アリかもですね・・・。 |
ゲンポウ |
ありなの!? |
マサト |
そうそう! 見た目もかわいいし! |
ケンシ |
アイデアを評価して50ポイント~! |
ゲンポウ |
高すぎない!? |
ケンシ |
なんか、もう疲れちゃいました。 |
マサト |
わかる。集中力切れちゃったし少し散歩でもしようか。 |
いったん外の空気を吸いがてら散歩へ
3人でフラフラと散歩していると、遠鉄第一通り駅周辺に辿り着きました。
ケンシ |
お腹すいた・・・。 |
マサト |
そうだね~。・・・んんん!?!? |
ゲンポウ |
なに!? 急に大きい声出して! |
マサト |
あれ見て!!! |
ゲ&ケ |
な、なんだって~~~~~!?!?!? |
ゲンポウ |
さ、さっそく入ってみよう! |
??? |
いらっしゃいませ~! |
そう出迎えてくれたのは、こちらのお店「オレンジパパ」の店主、川合由男さんでした。
ゲンポウ |
こんにちは。3人大丈夫ですか? |
川合 |
大丈夫ですよ。どうぞお座りください! |
マサト |
看板に「スパゲッティ41種類」と書いてあったんですが・・・。本当に41種類もあるんですか? かなり多いですよね!? |
川合 |
じつはそうでもないんですよ。スパゲッティは材料の組み合わせ次第で何種類でも作れるんです。店舗によっては100種類以上っていう店もありますね。それに比べるとうちは少ないほうかな(笑) |
ゲンポウ |
そ、そうなんですか!? |
まったく知らなかったスパゲッティ事情に驚愕・・・。
マサト |
でもなんでまた41種類なんですか? |
川合 |
そうですね~。単純に「よい」にあやかろうということで「41」にしました(笑) |
意外にも理由は単純でした(笑)
気になるパスタのお味は・・・!
続いて41種類もあるという、メニューを見てみることに。
マサト |
おお、ほんとに41種類もある! |
ゲンポウ |
これめっちゃ迷うな~。 |
ケンシ |
うん。どれもおいしそうです(ゴクリ)。 |
相変わらず優柔不断を発揮・・・。悩みつつもなんとか注文。
僕は明太子、マサトはトマトソース、ケンシくんはクリームソースです。
ゲンポウ |
うま~~~! |
マサト |
僕のもおいしい! |
お腹がすいていたこともあり、あっという間に完食。
全員 |
ごちそうさまでした~! |
川合 |
どうでしたか、お味は? |
マサト |
どれもさっぱりとした味付けで、とてもおいしかったです! |
川合 |
おお、その通り。じつはあっさりとした味付けにこだわっていて・・・。だから老若男女問わず召し上がっていただけると思います。 |
ケンシ |
確かに。あとから味も調節できて食べやすかったです! |
ゲンポウ |
この41種類のメニューは、開店当初からあるんですか? |
川合 |
開店当初とは若干違いますね。よくご注文いただくものは残して、あまりご注文いただかないものは別のものと変えて、って感じで現在のメニューがあるわけなんです。いまのメニューは20年くらい変わってないかな。そのほかに季節限定のメニューもあるので41+αということで、実際には42~43種類のメニューでやらせてもらっています。 |
マサト |
20年もメニューが変わっていないんですね。すごい。 |
ゲンポウ |
でもやっぱり、41種類もメニューを考えるとなると悩んだりしなかったんですか? |
川合 |
なにも悩まなかったです(笑)19歳のときからスパゲッティ屋で仕事をしていたので、ベースはそこから来てますね。そこに自分でアレンジを加えてみたり。むしろ最初に考えたメニューはもっとあったんですよ。そこから41種類に絞りました。 |
ゲンポウ |
なるほど。これよりももっとたくさんあったんですね・・・。 |
名前の由来、そして落ち着く店内
マサト |
店名の「オレンジパパ」の由来とかってありますか? |
川合 |
お店は家内と開いたんですが、ふたりとも磐田出身で高校卒業後、10年間くらい地元を離れる期間がありました。県外に出てみると、「静岡県のみかんはとても愛されてるな~」と感じたんです。 |
ゲンポウ |
確かに静岡のみかんはおいしい。県外でも有名なんですね。 |
川合 |
そうなんです。地元にいると感じないんですが、外に出るとほんとに愛されていると感じて・・・。「みかんのように皆様に愛されますように」という願いを込めて「オレンジ」にしました。「パパ」は開店当時1歳だった息子が、私のことを「パパ、パパ」と言っていたので(笑)それで「オレンジパパ」という名前にしました。 |
マサト |
なんかほっこりするような話ですね。 |
31年もお店を続けられているのは、みかんのように愛されている証拠。
ふと店内を見渡すとレトロチックで、雰囲気のあるインテリアが目に入りました。
ゲンポウ |
さっきから気になってたんですが、店内の装飾にも結構こだわってますよね? |
川合 |
ああ、それは「デコパージュ」っていうんです。いまでいうリノベーション的な? それを家内が趣味でやっていて。 |
マサト |
これ奥さんの手作りなんですか!? クオリティ高いっ! |
奥さん手作りの作品たち、夫婦二人三脚で築き上げられたオレンジパパ。川合さんははじめて来られたお客さんにこそ、印象に残る接客を心掛けているそうです。
川合 |
お客さんと近い距離にあるお店だからこそ、できることはありますね。いろんなお客さんとお話しすることが楽しいんです。 |
こう語った川合さん。とても親しみやすいお方で、はじめて訪れたことを忘れさせてくれました。なんとも言い難い、また来たくなるような雰囲気です。
全員 |
ごちそうさまでした、また来ます~! |
ケンシ |
いや~、美味しかったですね。また行きたい。 |
マサト |
そうだね~。ところでゲンポウ。アレはまだやるの? |
ゲンポウ |
アレ?? |
マサト |
レシピグランプリ。 |
ゲンポウ |
ああ、もういいや(笑)これからはパスタ食べたくなったら、オレンジパパに行くことにしたから。 |
マサト |
そのほうがいいね(笑) |
みなさんもぜひ一度、足を運んでみてください。それではまた。