静岡割りってなんだ!?
静岡割り普及委員会の担当者に聞いてみた
こんにちは、miteco編集長の吉松です。
静岡の居酒屋でよく見かける「静岡割り」というメニュー。注文してみると、青緑色で清涼感がある飲み物が登場します。
「これはいったい・・・?」
スタッフさんに聞けば、どうやら焼酎を緑茶で割ったお酒とのこと。
「緑茶割りやお茶割りとなにが違うの・・・?」
謎が謎を呼んだので少し調べたみたところ、静岡市観光協会(現:静岡観光コンベンション協会)の「静岡割り普及推進委員会」という組織が静岡割りを命名したという事実が発覚。
そこで静岡割りの謎に迫るべく、静岡観光コンベンション協会に電話で直撃。すると幸運なことに、静岡割り普及推進委員会の担当者だった安池さんが疑問に答えてくれました!
静岡割りってなに?
吉松 |
静岡割りとはどのようなものですか? |
安池 |
そうですね。以前から静岡では、焼酎を緑茶で割った飲み物のことをお茶割りと呼んでいて、それが普通の飲み方だと思っていたんです。
でも全国的なお茶割りといえば、ウーロン割りを指すことが多かったんですね。そこで静岡観光コンベンション協会の前身にあたる静岡市観光協会が、静岡独自の飲み方ではないかと目をつけて。
お茶の産地であることと、静岡という言葉自体の普及を目的に2006年、静岡割り普及委員会※を発足して「静岡割り」と命名したんです。
命名後は「静岡割りと呼んでください」ということで、静岡市内の居酒屋などにPOPを貼ってもらったり、メニュー表記の変更を推奨したりしました。
※静岡割り普及委員会は、静岡観光コンベンション協会への再編によって、現在は活動していません。 |
吉松 |
なるほど。それでは焼酎を緑茶で割った飲み物は、すべて静岡割りと呼べるんでしょうか? |
安池 |
はい。静岡割りの定義については、焼酎を緑茶で割る以外に設けていませんので。焼酎は麦、芋、米など問いませんし、緑茶も番茶、煎茶、粉茶などでもOKです。
ホットかアイスかというのも自由ですが、一般的には冷たいお茶が好まれているかなと思います。
あとできれば静岡産のお茶を使ってほしいなとは思っています。ただ細かく定義すると普及の弊害になる可能性があると考えたので、あえて広くしていますね。 |
定義が広いけど飲み方は・・・?
吉松 |
静岡割りの定義はかなり広いですね・・・。少し気になったんですが、協会が推奨する飲み方はあるのでしょうか? |
安池 |
こちらは先ほどの理由から、これといったものは設けていませんね。 |
吉松 |
そうですか・・・。それでは静岡割り普及委員会の元担当者としておすすめする飲み方はありますか? |
安池 |
おすすめの飲み方ですか(笑)あくまで個人の意見ですが、粉茶・米焼酎・水・氷を使った冷えた静岡割りが好きですね。
粉茶は溶かすだけなので手軽かつ、清涼感のある青緑色を演出しやすい。米焼酎はほとんどクセがないから、緑茶の香りと味が引き立つんですよ。 |
安池 |
作り方は簡単で、まず氷をたっぷり入れたグラスに粉茶をかけます。 |
安池 |
続いて水を注いで、粉がなくなるまで混ぜます。最後に米焼酎を混ぜれば完成です。分量はそれぞれお好みですね。
また作り方の手順としては、グラスへ氷+焼酎+水を入れたのちに、粉末茶を入れてかき混ぜるのも一般的だと思います。 |
僕も安池さんに教えたもらった飲み方で静岡割りを作ってみましたが、ふんわりとお茶が香ったあとに緑茶の渋みがきて、しまりのあるスッキリとした味わいでした。あぶらの乗った魚やこんがり焼いた餃子といった、味の強いおつまみとの相性はかなり良さそう・・・。
静岡割りの自由度が高すぎる
静岡割り普及委員会の担当者だった安池さんのお話しをまとめると――。
- 静岡割りは地元ならではのお茶割り(緑茶割り)として命名された
- 焼酎を緑茶で割れば静岡割りになる ※それぞれの種類は問わない
- 飲み方は自由で協会としても定めていない
お茶処・静岡のイメージを上手く活用して生まれた静岡割り。「焼酎を緑茶で割ることさえ守っていれば、すべて静岡割りになる」という自由度の高さには驚きでした。
またお店や家庭によって飲み方も大きく異なるようです。お店を巡って違いを楽しんだり、自分の好きな緑茶や焼酎で作ったりすると面白そう。今日の晩酌は静岡割りにしようかな・・・。