フォトジェニックなNEW静岡おでんへの挑戦
【エピソード5】緑茶ダシ&タネの準備編
「フォトジェニックでインスタ映えするNEW静岡おでんへの挑戦」。ついに残すところ2話です。
前回のエピソード4では、おさかなのことならお任せあれ「焼津蒲鉾商工業協同組合」さんへ伺い、練り物の作り方を教わってきました。
そうして出来上がったのがこちら。
色調がバグった泥団子とただのどろんこ……ではなく、左からしらす・桜えびのお団子、黒はんぺん(ハート形)です。
自分で作っておいて食べるの結構嫌なんですけど、ここまで来たら駆け抜けるしかありません。
今回は残りの具材準備&編集長・吉松の案「緑茶ダシのスープ」作成。前者を馬場が担当し、後者は「発案者として責任を取る」と吉松が担ってくれることになりました。
たのむぞ編集長。スープでこの不穏な企画を挽回させてくれ!
NEW静岡おでんタネの準備
すべての元凶・編集部の馬場です。
まずは牛すじの下茹でからスタート。
沸騰したお湯に牛すじを落とし、こまめにアクを取りながら2時間程度煮込みます。15分ほど火を通したあとに牛すじを水で洗い、再びきれいなお湯で煮込むとおいしくなるそう。
次にたまごですが、見た目にかわいいと思いウズラを選んでみました。
計20個のウズラの殻をひとり剥き続ける作業、終わりが見えないニュータイプの拷問です。
結び昆布、ほぼリボンでかわいいね。塩抜きをしたあと、玉こんにゃくと交互に串へ刺していきます。
さてここまではサクサクとお送りしました、どれも市販品でほぼ手を加えていないから。問題は、ここではないんです。
立ちふさがる「大根×にんじんロール」の壁
NEW静岡おでんの完成予想図。イラストの右端は、大根とにんじんとをくるくると巻いたロール鍋風のタネです。
まな板に転がるにんじんと大根を前に「これを……巻く……?」と立ち尽くしてしまいました。ピーラーでぴゅーっとやるんだっけ……? ピーラーで……。
おおーよかった、意外とスライスできますね。できますけど。
ウアー!! 拷問再び!!! 永遠すぎる!!!
馬場 | 永遠なんですよ。このままだと完成するころにはおばあちゃんになっちゃう。助けてください。 |
吉松 | なんで涙目になってんの? わかった、俺こっちでピーラーかける作業するから葵ちゃんはそこで巻き巻きしといて。 |
緑茶ダシを作成予定の編集長を早めに呼び出し、大根×にんじんロールづくりから手伝ってもらうことに。
吉松がピーラーでスライス。
馬場が巻く。
吉松がピーラーでスライス。
馬場が巻く。
吉松がピーラーを壊す。
そうしてまた馬場が巻く……これを幾度となく繰り返し、ようやっとイラストに近づけることができました。
どうでしょうか。「写真映えするおでんの具材」として、今後支持していきたいくらい華やかです。咲ききっていないバラの花のようにも見えませんか? はい、見えませんね。
以上で具材の準備はひとまず終了。次は本題であり、第2の難関でもある緑茶ダシスープづくりに入ります。
NEW静岡おでんの救世主となるか? 「緑茶ダシ」
馬場 | 頼まれてくださるとのことなので、わたしは横で別の準備をしますけど。一応、牛すじを煮込んだときの茹で汁と、昆布を塩抜きした汁はとってありますから。 |
吉松 | おーじゃあそれ使おうかな。そこにみりんと、ダシの素。 |
馬場 | あれ、昆布とかつお節でちゃんとダシをとるんじゃありませんっけ。 |
吉松 | それはね、やめた。諸事情で諦めました。ダシの素です。 |
馬場 | 「面倒」って顔に書いてあるな? |
当然、この時点ではまだスープは透明。ここへ緑茶の粉を入れていきますが、どんな味・見た目になるのかは想像もつきません。
吉松 | 前例がないだけに分量もわからないな。どんなもんだろう、感覚でいく(どばー)。 |
馬場 | ウオー、『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』で、サリーが博士に飲ませる毒入りスープじゃん。 |
吉松 | 例えがピンポイントすぎる。でもたしかに思ったより緑だな……ちょっと味みてみる。 |
馬場 | どうです? |
吉松 | むっっちゃ苦い…………。 |
馬場 | 緑茶の入れすぎですかねえ。お水足して、みりんとお醤油で調整してみます? |
吉松 | そうする。この色なら、醤油入れたところで黒くなる心配はいらないな。 |
馬場 | ほぼ沼地ですもんね。 |
吉松 | こんなはずじゃなかった。……あーでも、調整したらいい感じになってきたかも。もう具材入れちゃおうかな。葵ちゃんの準備のほうは進捗どう? |
馬場 | わたしも終わりました、でん。 |
吉松 | おーー富士山! 富士山型の鍋、探したらお高かったからやめたんだよね。 |
馬場 | ね。油性ペンで塗ろうかとも思ったけどお鍋もったいないし、毛糸を巻き付けただけの富士山。じゃあ具材の盛り付けも終わりましたし、あとは煮込むだけですね。
アッなんか、ノー勉テスト直前の根拠のない自信みたいなのが湧いてきた。いま完全に強いぞ。 |
吉松 | それ赤点取るときの前フリじゃん……。 |
衝撃(当然)のラスト「エピソード6・完」に続く。