フォトジェニックなNEW静岡おでんへの挑戦!
【エピソード4】黒はんぺん&お団子づくり編
―――静岡のソウルフード・静岡おでんをフォトジェニックに変身させ、この冬インスタグラムの投稿を「NEW静岡おでん」一色にできないものか。
11月13日号からスタートした、いたって真面目かつ馬鹿げたプロジェクトもいよいよ後半戦です。
流動食のみで食事を済ませる日もある編集長・吉松と、あらゆる手料理が無味無臭になる程度の能力を持つ編集部・馬場。
エピソード1での1枚。編集部・馬場(写真右)、編集長・吉松(写真左)。
「3人寄れば文殊の知恵」とは言ったものの、食に向いていない2人が集まり「黒はんぺん」「桜えび・しらすのお団子」を手づくりするなんて不毛です。こんなとき、練り物に詳しい人に話を聞けたらなんとかなるのに……。3人寄れるのに……!
と、「このままじゃ企画倒れ!」ところで終了した、NEW静岡おでんへの挑戦エピソード3。
そのあと、困り果てた馬場は独自の連絡網を駆使(練り物工場にいっぱい電話をかけた)し、やっと出会えました。選ばれし3人目に。
おさかなのプロに聞く練り物の作り方
やってきました、「焼津蒲鉾商工業協同組合」さんです。焼津、かまぼこ……最強だ! ※黒はんぺんは焼津の特産品です。
こちら「お魚かたりべ」の異名を持ち、おさかな検定3級という歴戦の勲章をかかげる頼もしい仲間、池ノ谷さんです。
馬場 |
突然すみません。わたし、黒はんぺんの作り方が分からずほとほと困り果てているんです。お力を貸していただけませんか。 |
池ノ谷 |
なるほど。前に小学校で作り方を教えたときのレシピがあってですね。かいつまんで説明すると、まずは頭とはらわたを取ったイワシ、アジ、サバなんかをフードプロセッサーでミンチにして。細かくすりつぶしたら、調味料を加えます。 |
馬場 |
あ、黒はんぺんって調味料が加わってるんですね。 |
池ノ谷 |
味付けは家庭によっていろいろですけどね。塩、お砂糖や醤油、臭みが気になるなら生姜を入れたり。そうしたらお椀の裏っかわを使って半月型にします。 |
本来の形づくりで使用する木型と、刃のない包丁。
池ノ谷 |
あとは茹でで火を通して、完成ですよ。 |
3人寄った!
馬場 |
あっさり解決しました。それと、しらすと桜えびでお団子を作りたいんですけど、こちらはどうしたら……? |
池ノ谷 |
タネになるのは鱈でしょうかね、白身魚の。それを黒はんぺんと同じようにすりつぶして、しらすと桜えびを加えて3、4分も茹でればできますよ。具材とうまくくっつかなければ、片栗粉を加えて練ってみてください。 |
文殊の知恵を手に入れた!!!
黒はんぺんづくりスタート
知恵を授かったところで、さっそく調理に入ります。用意したものは以下。
- イワシ……4匹
- 塩……適量
- 練り生姜……適量
- 片栗粉……80g
イワシは前回、河岸の市にて頭と内臓を取ってあるものを購入したため、尻尾と骨だけを除いていきます。ちなみにフードプロセッサーをお持ちの方は、尻尾も骨も取る必要はありません。
こちらフードプロセッサーと思いきや、「大根おろし作れたからいけると思う」と社員の方が貸してくださったミキサーです。
ゆっくりとですが、たしかに細かくなっていきます。……ただ写真のとおり、上のほうがうまくミンチになってくれないですね。
でもご安心を。こんなこともあろうかと、すり鉢を買っておきました。
とってもキュートな手のひらサイズのすり鉢です(108円)。
編集長「よくそれ買おうと思ったな」
パートの男性「とんかつ屋で一人ひとりに渡される、ゴマ用のやつですよね?」
などとバチボコに言われましたが、別に馬場もこれが欲しかったわけじゃありません。これしかなかったんです。
ねりねりねりねりねりねりねりねりねりねりねりねりねりねりねりねり
編集長が調理を手伝ってくれたのは、この写真のための30秒間のみ。
練ること30分、WEB企業の事務所に魚市場のかおりが漂い始めました。そうしてできたのがこちら。
ちゃんと練り物らしくなってくれています。
家庭によって調味料は変わりますが、今回の味付けはお塩と臭み消しのためチューブ生姜、粘度を上げるための片栗粉を加えました。
そしてエピソード2「編集部による構想編」にて決定したとおりハート形に。ところどころ黒いのはね、ミキサーでもすり鉢でもどうにもならなかったイワシの皮です。不安だよ。
型抜きを終えたら、お湯で茹でていきます。
どうです? この謎GIF。
火が通り、浮かび上がってきたものからすくい取れば出来上がり。加熱後の姿はしらす・桜えびのお団子が完成したときに一緒にお見せしますね。
しらす・桜えびのお団子づくりスタート
お団子作りに使う材料は、こちらの4つ。
- 鱈……3切れ
- 桜えび(茹で)……お好み
- 釜揚げしらす……お好み
- 片栗粉……適量
お団子のタネになる鱈です。
皮をはいだらイワシ同様に、ミキサーとすり鉢を駆使しミンチにしていきます。ただ身がプリップリなので、すり鉢だと踊りよる。あちこちに弾けるため、確実にフードプロセッサーのほうがいいと思います。
応援に来てくれたmitecoの運営元・株式会社エストリンクスの社員、かつmitecoライターの鈴木裕郷さん。
タネに混ぜ込む桜えびとしらすは、包丁で細かく。これは河岸の市で店員さんに聞いた、お団子をうまく固めるためのアドバイスでした。
これは鱈の身にそれぞれを加えて、片栗粉で練ったもの。桜えびの鮮やかさ、写真映えしてくれそうです!
スプーンで丸めようとするとまた鱈が踊りよるので、手でギュッと固めます。
ほうら~みんな大好き、謎GIFだよ。
3、4分ほど茹でたら……
完成です!
静岡おでんの材料とは思えない斬新さですね。細胞分裂のようなヒビの入ったお団子、いびつなハートから皮や取り切れなかった骨が飛び出して……。
…………これ大丈夫?
残念ながらエピソード5に続く。