今春もあの法多山が雑貨好きで賑わう！
手作りのぬくもりいっぱい「コトコト市」

たくさんの店が一同に介して開催されるマーケット、いわゆる“◯◯市”が近年、静岡県内でも多くなってきました。規模の大小こそあれ、休日は必ずどこかで市がある、というほど多種多様に開催されています。

それでも長く続けてきた実績があり、広く認識されているものとなると限られてきそう。県中部なら静岡懸護国神社の「手創り市」、県東部なら「御殿場アートクラフトフェア」などが思い浮かびますが、今回紹介するのは県西部のイベント。

2007年から開催されてきた、雑貨店主宰の「コトコト市」です。

遠州三山の名刹と掛川の雑貨店がコラボ

第15回コトコト市の様子。画像提供：lade

コトコト市とはどんなマーケットなのか。主催者である掛川の「アンジュール」店主、松浦さやかさんにお話しを伺ってきました。

アンジュールは、松浦さんが好きな作家の器作品が集まった店。住宅の一角を店舗にして営んでいます。

Takashi	松浦さんの嗜好からか、全体的にツヤを抑えたマットな質感の作品が多いですね。どれも手作りにしかないオーラというか、温かい雰囲気が伝わってきます。
松浦	棚に飾るのではなく、どれも実際に使ってほしいものを揃えています。料理が映えるのはもちろん、割と用途を限らずなんでも使えて、食卓が楽しくなるものを。

松浦	そうそう、わたしのお店のことよりコトコト市のことを話しましょう。
Takashi	はい。よろしくお願いします。コトコト市はもう今年で10年目。始まりは2007年でしたが、最初のきっかけは？
松浦	もうひとりの主催者である「コレム」のさのみちよちゃんが、東京のクラフトフェアが紹介されている雑誌を見せてくれて。「こういうの一緒にやらない？？」って。
Takashi	2007年ごろだと、東京はともかく静岡ではまだ、前例は少なかったのではないでしょうか？
松浦	だから最初は手探りでした。第1回はコレムで開催、2回目は互いの店で同時開催、3回目はコレムで2日間……という具合で、毎回試行錯誤でしたね。

コレムのさのみちよさん（左）と松浦さん。　画像提供：lade

Takashi	では4回目以降、法多山尊永寺での開催になったのですね。
松浦	はい。イベントが認知されお客さまが増えて、店舗では入りきれなくなり……。もっと広い場所をということでいろいろと探していたなか、法多山へ相談に行きました。

ここまでできたのは法多山だからこそ

法多山といえば、mitecoでも以前紹介させていただきました。「寺は人々から遠い存在ではない」という、住職・大谷純應さんの言葉が思い出されます。

松浦	どこの誰かもわからない私たちに快く境内を開放してくださって、いま思えば本当に器が大きいですよね。立派な建物を使わせていただくので、毎回緊張しています。でも住職自ら出店するなどして楽しんでくださるおかげで、とてもよい雰囲気で開催できています。   趣のある建物も景色もとにかくステキで、手仕事の作品や小道具がより見映えします。パンや焼き菓子がずらっと並ぶと、そこが寺であることを忘れそうになりますね。新緑のなかで飲むコーヒーがまたおいしいんです。
Takashi	雑貨だけでなく、パン屋さんやコーヒーショップも出店するんですね！
松浦	はい。コトコト市全体が「広大なカフェ」のようなイメージで楽しんでいただけたら、とっても嬉しいです。

画像提供：lade（以下同）

「cafe du juno」として参加してきた大谷住職。

心地よい空気のなかで雑貨探しを楽しめる。

ミシンでコトコト、お鍋でコトコト。コトコト市は、そんな手仕事の音をイメージして名づけたのだとか。実店舗が県内中心というのも、ローカルな雰囲気があってステキですね。

2017年の開催は4月30日、日曜日。出店数は40店以上にものぼります。雑貨を愛するみなさま、お見逃しなく！

※取材にご協力いただいた松浦さんの実店舗「アンジュール」の情報はこちらから。

手仕事の音が聞こえるような場所