また来年!大道芸ワールドカップin静岡
【2016年版】私的心に残ったアーティスト5選
11月3日(木/祝)から4日間開催された、静岡最大級のお祭り「大道芸ワールドカップin静岡 2016」。
今年は25周年のアニバーサリーイヤーでしたが、参加アーティストは過去最多の19か国108組、来場者数は過去最多の205万人にも上ったそうです。
編集部の僕(吉松)と山口も初日に参加してきましたが、たしかに見渡す限りの人、人、人でした。
駿府城公園内「プレミアムステージ」の様子
さて、僕はメインステージのプレミアムステージ(駿府城公園)やウォーキングストリート(七間町/呉服町)を中心に会場をぐるっと回ってきました。
人生初参加だったので見るものすべてが新鮮でしたが、やはりアーティストによるパフォーマンスには心奪われたもの。
そこであくまで見た範囲ではありますが、心に残ったアーティストを5組、独断と偏見で選んでみました。
観に行った人はもちろん、観に行ってない人も「こんなアーティストが参加していたんだ!」と知ってくれたら嬉しいです。
①ベンチャ(オランダ)
旧クリエーター支援センター(元青葉小学校)に登場したオランダの「ベンチャ」。屋上から身体を吊って、垂直な壁をステージにしてダンスをするバーティカルダンスのアーティストです。
大道芸ワールドカップの開催直前に公開した記事にて、実行委員会のチーフディレクターを務める市川さんに、新ジャンルの1組としておすすめされたアーティストでもあります。
ラテン調の音楽に合わせて校舎の壁でダンスをするという、いままで見たこともないパフォーマンスはインパクト大。
男女の愛を表現した絡み合うような動きに、「どこかで落ちるんじゃないか・・・?」と思ってしまうスリルが相まって、終始ドキドキが止まりません。
ふたりとも色っぽかったのも、若者の僕には刺激的でしたね。
②フレイザーフーパー(イギリス)
今年の目玉企画「Clown×Clown×Clown ザッツ笑タイム」に登場したイギリスの「フレイザーフーパー」。
ステージに観客を呼び込んで、ユーモアたっぷりの掛け合いをしたり、パフォーマンスに参加してもらったりして、とにかく観客をいじり倒していたアーティストです。
僕が見たアーティストのなかで、もっとも笑ったのは彼でした。
とくにボクシングのパフォーマンスは最高。
4人の観客を呼び込んで、ひとりにはゴングやパンチの音を出す機械の操作を、ふたりにはロープ役とセコンド役を、もうひとりにはグローブを持たせて対戦役をやってもらう流れだったんですが・・・。
もう本当にむちゃくちゃです。そもそもフレイザーフーパーのグローブは、対戦役のグローブの10倍くらい大きいですし、対戦役はもちろんセコンドまでも殴ってしまう見境のなさ。
それを見てか、途中から対戦役の方も容赦なくフレイザーフーパーを殴り始めたのには笑いましたね。
一番の見どころだったのはコレ。セコンドに水を飲ませてもらったフレイバーフーパーは、口に含んだままの状態で対戦役に「殴れ!」と言わんばかりの挑発をします。
挑発に乗った対戦役の方は顔を殴り、その結果、顔に大量の水を吹きかけられてしまいました。
やっちゃいけないことをやっちゃった雰囲気で、会場は大盛り上がり。これこそエンターテイメントだなと思ったシーンでした。
③ガンジスインダスドーダス(日本)
呉服町のウォーキングストリートに現れた日本の「ガンジスインダスドーダス」。
ウォーキングストリートとは、会場をアーティストが歩き回ってパフォーマンスをする、偶然の出会いを楽しむスポットのことです。
大勢の来場客がその出会いを求めて集まるんですが、そのなかでも抜群の存在感で人目を引いていたのがこのアーティスト。
というのも、めちゃくちゃデカい上に不気味なんです。
ガンジスインダスドーダスがウォーキングストリートを歩き回っていた様子。全長4m~5mくらいでしょうか。集まっている来場者の3人~4人分くらいの高さがあります。
真っ黒な衣装に身を包み、顔の表情は一切変わりません。ガンジスインダスドーダスからは「シューシューシュー」という宇宙を思わせるような環境音も流れていて、ここだけ異世界のような空気感。
これもパフォーマンスのひとつなのか・・・と、大道芸に対するイメージが変わったアーティストでした。
④ウンパ(日本)
引き続き、呉服町のウォーキングストリートに現れた日本の「ウンパ」。全身シルバーの異様な装いに、スキンヘッドもきれいに輝くハプニングアーティストです。
言葉を発することなく、無言で観客と接するので無骨な感じでしたが、よくよく観察してみると心優しいアーティストということが判明。
たとえば、写真は自前のガラガラを使って、怖がっている赤ちゃんをあやしているところです。
横断歩道を渡るときなんて、背筋を伸ばしてきちんと手を上げていました。子どものお手本にもなるような存在です。
ほかにもクスっとくるパフォーマンスの連続で、見ていて飽きることのないシュールな世界観にハマりました。
⑤クロキキィブラザーズ(韓国)
フレイザーフーパーと同じく、「Clown×Clown×Clown ザッツ笑タイム」に登場した韓国の「クロキキィブラザーズ」。ポップなダンスミュージックに合わせて、観客の予想を上回る絵を描くアーティストです。
写真はパフォーマンスの前半、観客の似顔絵を描いたシーン。正直なところ、とても上手いとは言えない絵ですよね。それでも、ここからが本番でした。
ダンスミュージックのビートはアップテンポに切り替わり、ひとりは大きなキャンバスに馬のイラストを描き出し、もうひとりはビートに合わせたユニークなダンスをし始めます。
そうこうしているうちに完成したのがこちら。さっきとは比べ物にならないほどの出来です。
これが本気か・・・! と思っていたら、さらなる驚きがありました。
なんと、せっかく描いた馬を黒く塗りぶしてしまったあと、謎の模様を描き加えて・・・。
くるっと1回転させると、彫刻の絵に大変身! 会場は大いに沸きました。じつはこのあと、もっと驚くようなパフォーマンスを魅せたんですが、ネタバレがすぎるのでこの辺で。
以上! 完全に私的ですが、心に残ったアーティスト5選でした。どれも思い出すだけでニヤっとしてしまうパフォーマンスばかりで、いまから来年が待ち遠しい。
そしてどうやら、「大道芸ワールドカップin静岡2017」の準備はすでに始まっているようです。次はどんなアーティストがパフォーマンスを繰り広げるのか、首を長くしてまた1年後。
それでは、また来年!
追記
参加者に聞いた大道芸ワールドカップin静岡の楽しみ方はこちらの記事から。