【祝・活動再開】「3776復活ライブ」直前!
火付け役「掟ポルシェ」が語る3776の魅力とは
富士山ご当地アイドル、3776(みななろ)を追いかけはじめて半年が経過しました。ハイカー(3776ヲタの総称)の皆様におかれましては、受験勉強のために活動休止して以来、「みななロス」現象に悩む方もいらっしゃるかと存じます。
こんにちは、編集部の安藤です。
5月3日、富士宮市民文化会館にて3776の復活ライブがあります。
今日は活動再開記念として、3776の人気の火付け役となったミュージシャン・掟ポルシェさんと一緒に、下北沢SHELTER(東京都)へ来ました。恐れ多くも取材を引き受けていただいたのですが、当然3776のお話しを伺うためです。
なんで下北沢SHELTERなの?
下北沢SHELTERは、掟ポルシェさんがぱいぱいでか美さんと合同誕生日イベントをやったライブハウスです。お互いに推しを呼ぶという主旨だったのですが、偶然、同じ誕生日の3776・井出ちよのさんをゲストに呼んだのでありました。
そんなわけで、掟ポルシェさんにお話しを伺いましょう!
掟ポルシェ
バンド「ロマンポルシェ。」のボーカル・説教担当。男道コーチ屋稼業、ライターなど、さまざまな顔を持つ。ハロー!プロジェクトをはじめアイドルにも造詣が深い。いまや日本が世界に誇るアイドル・Perfumeをメディアでプッシュしたことでも知られる人物だ。1968年5月3日生で、偶然にも井出ちよのさん(2001年5月3日)と同じ誕生日。
掟ポルシェさんが3776に出会ったきっかけは?
私、恐れ多さが表情に出ていますがご了承ください。
数々のアイドルを見てきた掟ポルシェさん。当然、目と耳が肥えている人だと思うのですが、3776を好きになったポイントはどこでしょうか?
安藤 |
さっそくですが、なぜ3776が好きになったのでしょうか? |
掟 |
2014年の秋ころだったかな、Twitterで3776の『さよなら小学生』の動画をツイートしている人がいたんですよ。それを見て「なんじゃこりゃあ!」と目を剥いて。
2期タンポポの『乙女パスタに感動』みたいな、なにやら洋楽のバックボーンを感じる曲だなと思ったんですが、展開していくメロディの先が読めなくて、ネタ元なんかも全然わからない。これはオリジナルなんだなと。
ポップなのに複雑な音楽をやっていて、さらにそれが静岡の地方都市のローカルアイドルだと知って衝撃を受けたんです。 |
安藤 |
はぁ。 |
掟 |
すぐに引き込まれて関連動画にある『序曲』という曲を聴いたら、今度はSonic Youthの『I dreamed I dream』のようなことをやっているんですね。でも、サビではいきなりオーケストラになっていて、とても刺激的に感じました。自分が聴いていた80年代のニュー・ウェイブやポストパンクに通ずるものがあるなと。 |
安藤 |
富士宮市という、地方のアイドルが尖った音楽をやっていて驚いたということですか。 |
掟 |
そうです。そして2015年1月28日、渋谷WWWで行われたライブではじめて3776を観ることができました。リリースされたばかりの『ラブレター』からの曲が中心で、アイドル歌謡ではあまり使われない変わったコードやポリリズムまで入った難しい曲を、井出ちよのさんがサラッと歌いこなしていて、これはすごいなぁと。
決定的に3776にドハマリすることになったのは、2015年4月26日に行われた花と食の元気広場でのライブの模様をYouTubeで見てからで。その日、『3776を聴かない理由があるとすれば』に収録されている4曲が初披露されたんですね。 |
安藤 |
・・・それで、掟さんはどう感じたんでしょうか? |
掟 |
『登らない理由があるとすれば』のギター・カッティングはこれまでのアイドル歌謡のギターと違うポストパンクのようなフレーズで、80年代のニューウェーブを好んで聴いていた自分にとってこれ以上なくジャストな音楽になっていました。
井出さんのダンスも歌もソロになってより一層引き立っていて、アイドルとしての魅力に満ち溢れていた。うますぎず作為的になりすぎないボーカルも、自分が求めるアイドル歌謡のそれとしてど真ん中になっていた。
つまり、3776はアイドルに求めていること、アイドルじゃないものに求めていることのすべてを満たしていたんです。 |
安藤 |
プロのミュージシャンで、アイドルにも詳しい掟さんにそこまで言わしめる存在だったんですね。 |
掟 |
「ずっと聴いていたい」という想いが強くなり、家に帰ってからもその日の動画を見続けていたせいで、ある日、iPadが通信制限がかかってしまいました。いままでそんなことなかったんですが(笑) |
掟ポルシェさんが3776にハマったきっかけは?
掟ポルシェさんは、一時期Twitterや各媒体で狂ったように3776の話題を話していました。ここまでのめり込んだ理由は、「使命感」と「アイドルとの距離感」だそうです。
安藤 |
掟さんは3776を好きになってから、どうして人へおすすめするようになったんでしょうか? |
掟 |
2015年の6月28日ですね、これはもう本拠地の静岡に行かなきゃダメだろうと。はじめて富士宮市の花と食の元気広場へ行ったときは感動しました!
Youtubeに上がっていた動画で観ていたあの場所に遂にこれたということだけで高まりましたし、ステージの後ろがただの民家なことや、ライブ中に通行人が後を横切ったりするゆるい環境もすべて魅力的に見えてしまって。
「聖地にやってきたぞ!」という気持ちが、単なる好きを信仰心にまで高めてくれたというか(笑) |
安藤 |
地方の町にある公園みたいな場所ですよね(笑) |
掟 |
ライブを見たあと、いぬびのさんという3776の動画を撮影している人から、当時は入手困難だった『序曲』と『心配のタネ』のCDを譲っていただいて。
「富士宮ですごいことが起きている」という事実を多くの人に伝えるため、いよいよ自分にリレーのバトンが渡ってきたんだと思ったんですよ。そこからハッキリと使命感を感じて喧伝していきましたね。 |
安藤 |
いぬびのさんからのバトンを受けて、掟さんはどのように広めたんでしょうか。 |
掟 |
自分が高円寺パンディットで月1やっているスナック掟ポルシェという飲み会イベント中、ずっと3776の動画を流したりとか、ことあるごとに人におすすめしていたんですが、そこで動画を見た人が富士宮の本公演に通うようになったりしました。
そして、3776というアイドルの制作意図を自分も知りたいし人にも知ってもらいたいということで、『アイドル依存症』という僕が主催するトークイベントに、井出さんとプロデューサーの石田彰さんをお呼びしました。
こちらは勝手に、石田さんはニュー・ウェイブやポストパンクが好きで、当然そこに精通した方だろうと思っていたんです。でもお話しを聞いたら、U2やThe Police、BUMP OF CHICKENが好きだということでまったく当てが外れて(笑)
ヲタからヲタへ伝わっていた情報が思い込みと都市伝説が大量に含まれているものだったとわかって、決めつけてかかるのはやめようと反省しました。逆に自分のなかで石田彰さんの作家としての神秘性が増しました。メジャーど真ん中の嗜好なのに、出てくる音楽はアバンギャルドで先鋭的という意外さに余計惹かれたというか。 |
安藤 |
リスナーの想像とはまったく違った人だったんですね(笑)井出さんはどんな印象でしたか? |
掟 |
ひとりでステージを構成する力が歌にもトークにもあって、頭の回転のいい子だなと思っていましたけど、話してみると意外と普通の14歳の女の子だと思いました。世代が違いすぎて会話の接点が掴めないといいますか、こちらも14歳の女の子だと思うと緊張してしまって、結局は石田さんに楽曲の話中心で聞いてしまって、井出さんとの会話は空回りしてしまったかなと。 |
安藤 |
それは、掟さんとしては悪い意味でしょうか? |
掟 |
よい意味でファンと距離感を保ってくれることをアイドルには求めているので、3776とはアイドルと優れた作曲家、そしてファンという関係を保てているので・・・いいんじゃないでしょうか(笑) |
3776とPerfumeの共通点は?
掟ポルシェさんとアイドルといえば、Perfumeが好きだと思い浮かべる人もいるかもしれません。3776とPerfumeの共通点についてもお話しを伺いました。
安藤 |
掟さんはPerfumeをプッシュしていましたが、同じアイドルとして3776との共通点はありますか? |
掟 |
ワンプロデューサーで音楽性を固定したことですよね。アイドルが歌ってさえいればどんな曲でもアイドル歌謡曲になるわけで、それまでは1組のアイドルが曲をリリースするたびに作家の先生が変わって音楽性がゴロゴロ変わるのが当たり前だったので。
アイドルは顔や見た目で好きになるしかなかったのが、Perfumeも3776もひとりのプロデューサーが自分の |
安藤 |
中田ヤスタカさんがPerfumeの作曲をひとりで担当している点は、石田さんが3776の楽曲をひとりで作っていることと共通していますね。 |
掟 |
アミューズさんが中田ヤスタカさんを信頼してプロデュースを全面的にお任せしたことがPerfumeの統一感を生み出していて、それが世界的ヒットにまでつながる重要な要素になったと思います。当初は「(中田さんの作った曲が)アイドルの歌にしては曲がかっこよすぎる」と意外なことでクレームがついたりしたみたいですが、自分の音楽性を信じてブレさせなかったことが勝因ですよね。
3776がPerfumeのように、今後世界的評価を得る存在になるかといえば、事務所やレコード会社の規模から見て簡単にそうはならないだろうし、求めている成功の最終目標も異なるものだと思いますけど、音楽の魅力という点ではPerfumeにも劣らない素晴らしいものであるのはたしかです。そういえば、知り合いのアメリカ人のヲタが今度3776を見るために日本に引っ越してきます。Youtubeで見て居ても立ってもいられなくなるのはみんな一緒ですよね(笑) |
これからの3776に期待することは?
さて、5月3日に3776が活動を再開しますが、本日時点ではどんなアイドルとしてお披露目されるかわかりません。そこで、これからの3776に寄せる期待を掟ポルシェさんに伺いました。
安藤 |
これまでの3776、そして、これからの3776に期待することはありますか? |
掟 |
ステージを実際に見ると、アイドルとしての井出さんの魅力に打ちのめされます。ルックスにしろ声質にしろMCにしろ、「この子は本当にステージに立つ者としての資格と才能があるな」と。井出ちよの以外が3776の曲を歌う姿はまったく想像できないし、自分は望んでいないです。 |
安藤 |
となると、掟さんはメンバーが増えるSeason4という選択肢より、#3neoの3776を楽しみにしているということでしょうか? |
掟 |
でも、自分は慣れる性分ですから、どんな形態になっても意外と順応できると思っています。ソロになった3776ですが、ことあるごとにMi-IIが呼ばれては寸劇をやったり楽曲に参加したりしていますよね。
これから石田さんのやりたいことは、グループでのライブではないかなと思います。3776で投げる石田さんの変化球の球種が増えて多彩になるのは楽しみです。 |
3776の新たな活動が楽しみ!
掟ポルシェさんにお話しを伺い、あらためて3776の魅力がわかった気がします。5月3日の富士宮市民文化会館では、果たしてどんな姿で現れるのでしょうか? あらためてイベントの日が楽しみです!
『3776復活ライブ』
場所:富士宮市民文化会館
時間:OPEN:13:00 START:14:00
チケット:前売2,500円 当日3,000円
※チケットのお問い合わせは富士宮市民文化会館(0544-23-1237)