静岡のインディシーンで掲げる再出発!
ロックバンド・アンネ2,000字インタビュー

  • posted.2016/12/26
  • 安藤悟
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静岡のインディシーンで掲げる再出発! ロックバンド・アンネ2,000字インタビュー

11月17日、新メンバー加入を発表したロックバンド・アンネ。王道日本語ギターロックサウンドに乗せ、親しみやすいメロディと棘のあるメッセージを秘めた歌詞は、若いリスナーのハートを突き刺し続けている。

新メンバーの正式加入発表時、届いたアーティスト写真から感じたのは彼らの熱意。なぜ、静岡というインディロックシーンで活動を続けるのか。あわただしい12月某日、取材場所は静岡市内の某居酒屋。アンネが目指す姿と静岡で活動している理由について鈴木ヨシアキ(Gt.Vo)に本音を訊いた。

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鈴木ヨシアキ

静岡県島田市出身、11月15日生。ロックバンド・アンネのギターボーカル。ボーカロイドを使い、ニコニコ動画に楽曲を投稿していた時期もある。好きなアーティストは椎名林檎、syrup16g、Theピーズ。

『正しい街』のイントロのフィードバックノイズを聴いたときに、「こんな音がギターから出るのか」と愕然として(笑)

アンネ鈴木

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安藤

5年くらい付き合いがある元バンドメンバーに対し、あえていま2,000文字インタビューを敢行すると(笑) まずは、音楽やロックに目覚めたきっかけを教えてもらえますか?
アンネ鈴木ヨシアキ 中学2年生のころ、最初に19を聴いてピンときたんです。それで、音楽の選択授業でギターを習う、ドンピシャなタイミングという。
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安藤

じゃあ、アコースティックギターだったんですね。そこからロックに目覚めたきっかけは何ですか?
アンネ鈴木ヨシアキ 中学2年生の正月、お年玉でアコースティックギターと椎名林檎のCD『無罪モラトリアム』を買いました。当時、椎名林檎がTV番組でプッシュされていたから、こういうイケてる音楽を聴こうと思ったんですよ。

 

1曲目の『正しい街』のイントロのフィードバックノイズを聴いたときに、「こんな音がギターから出るのか」と愕然として(笑)19が好きでアコースティックギターを買ったけど、「完全に間違えたな」って思いました。

※元バンドメンバー:miteco編集部の安藤および山口は、元アンネのベーシスト。
※19:1998-2002年と短い活動期間ながら、日本のネオ・フォークを生み出したアーティスト。

電車に乗って帰ろうと思ったら、向かいに座っていた女子高生が「ライブかっこよかったです」って言ってくれたんですね。これはもう、バンドを続けるしかないなと。

アンネ鈴木

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安藤

ロックに目覚めてから、どうやってバンド活動にたどり着いたんですか??
アンネ鈴木ヨシアキ 高校生のとき、学校には友達がいなかったからインターネットでバンドメンバーを募集して、BLANKEY JET CITYの『赤いタンバリン』をコピーしました。

 

それで、すみやのオレンジホール(静岡市葵区)で初ライブをしたんだけど、ぜんぜん手応えがなくて。電車に乗って帰ろうと思ったら、向かいに座っていた女子高生が「ライブかっこよかったです」って言ってくれたんですね。これはもう、バンドを続けるしかないなと。

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安藤

まさに音楽が世界を変えた瞬間という。そこから、どうやってアンネが結成されたんですか?
アンネ鈴木ヨシアキ 大学に行きながら東京でバンド活動をしてて、卒業してからも2年間自分のバンド活動を続けていたんだけど、結果が出ずに静岡に帰ったんです。

 

それからボーカロイドで曲作りを始めて楽しいなと思いつつ、「やっぱりバンドだなー」と感じて、地元の知り合いをあたってバンドを結成しました。

「いい曲を作って多くの人に届ける」という意味を「売れたい」というなら、売れたいです。

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安藤

一度プロを目指してて、静岡に戻ってきたんですね。でも、アンネのアーティスト写真やPVを見ると、毎回プロ顔負けのクオリティで勝負してるなと感じました。

 

ぶっちゃけ、どんなモチベーションでバンド活動を続けているんですか?

アンネ鈴木ヨシアキ とにかく曲を作って、誰かに広めるのがすごく好きで。フレーズだけの曲とかも含めると100曲くらいはある。それをカタチにしたくてバンドを続けているんです。

 

多くの人に届けたいと思った結果、自然とアーティスト写真やPVなどにも力が入りました。

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安藤

それは、「売れたい」って意味ですか?
アンネ鈴木ヨシアキ 「いい曲を作って多くの人に届ける」という意味を「売れたい」というなら、売れたいです。

 

たとえば、数年前に「キルハピトワイライト」という静岡県内では大きいイベントがあって、100人くらいの前で演奏しました。自分たちの演奏した音楽が、多くのお客さんに届いた瞬間に立ち会えたのがよかったです。

CDショップが撤退したりレコード屋さんがなくなったり、文化が廃れてしまっているなと感じることもあります。

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anne_ando

安藤

静岡で活動していて、どんなことを感じますか?
アンネ鈴木ヨシアキ 結果論ですが名古屋や東京から近い好立地で、東西で違う文化だなと。そのおかげでいい出会いや刺激に恵まれました。静岡で活動しているとみんな温かいと感じるし、逆に悪いところってある?
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安藤

確かに。静岡に住んでいるとあまり思いつかないですね。静岡が曲のモチーフになったりすることは?
アンネ鈴木ヨシアキ 自分が見てきた景色で思い入れが強い場所は、曲になることもある。たとえば、地元の桜並木のある川沿いを深夜に酒を飲みながら歩くのが好きで、『ミッドナイトライダー』という曲のモチーフになった。
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安藤

地元の島田市って好きですか?
アンネ鈴木ヨシアキ 好きですね。ただ、島田市にあったCDショップが撤退したりレコード屋さんがなくなったり、文化が廃れてしまっているなと感じることもあります。
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安藤

なるほど。最後に、アンネのゴールって?
アンネ鈴木ヨシアキ どこかで区切りをつけて、辞められたらステキですよね。でも、辞めどきを見失っちゃったので、年々どんどんかっこよくなっていくしかないなと。2017年はライブをしながら、レコーディングをできたらいいなと思います。

静岡から全国へ発信する音楽

温かい人柄と暮らしやすさに恵まれる静岡。この町から全国に音楽を発信することは可能だ。インターネット全盛の昨今、東京へ出て音楽をする時代は終わるのかもしれない。2017年もアンネの活動に期待大だ。

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Writer安藤悟

1987年生まれ。静岡県静岡市出身、在住。株式会社エストリンクス代表取締役社長。中学時代の趣味は読書(筒井康隆、ビジネス新書)だった。10年以上ロックバンドでギターボーカルをしながら作詞作曲をする、“こじらせ系アラサー男子”。最近の趣味はダーツ。Twitter:@ando3106 Facebook:satoru.ando.986

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