“西宮の王様兄弟”キンブラが静岡へ!
ケイゾウ氏にmitecoが独占インタビュー
miteco読者のみなさんこんにちは! ロッキーです。
いまから10年前・・・。
僕が高校生のとき、「自分が好きな街から音楽を発信することの意味」など、さまざまなことを僕に教えてくれたバンドがいました。
兵庫県西宮市から世界へ、ロックンロールを発信し続ける「KING BROTHERS」です。
オーストラリア&ニュージーランドツアーを終えたばかりの同バンドは、12月4日(土)から凱旋ワンランライブと題した「東名阪プラス静岡」という国内ツアーを開始しています。
でも、どうして静岡・・・? バンドがツアーで人口とファンの多い、大都市を回ることはよくあることで、東名阪はまさにその代名詞。しかし、静岡がこのなかに組み込まれることはめったにありません。
今回、僕のロックンロールヒーローである、KING BROTHERS Gt.Vo ケイゾウ氏(以下、ケイゾウ)に、このことについてメールインタビューをしてみました。
もう! ドキがムネムネでございます!
KING BROTHERSのプロフィール
KING BROTHERS(キングブラザーズ)は1998年結成、兵庫県西宮市を拠点に現在も活動中のベースレス3ピースバンド。
ドラムもろとも客席へと乱入し演奏する独自のスタイル、客の頭上で行われるマイクパフォーマンスなど、観る者を圧倒し巻き込んでゆく最強のロックンロールバンド。
11月はオーストラリア&ニュージーランドツアーを成功させ、12月は国内にて凱旋ワンマンライブを開催する。
青森県で開催された 「AOMORI ROCK FESTIVAL ’15 ~夏の魔物~」に出演したときのライブ映像。
オーストラリア&ニュージランドツアーにて、オーストラリアはメルボルン「The Tote」でのライブ映像。
なぜオーストラリア・ニュージーランドでツアー?
Photography : Yunis Tmeizeh http://yunistart.com/
本題に入る前にまずは、今回のオーストラリアとニュージーランドのツアーについて聞いてみました。すると、日本とのオーディエンス(お客さん)との、距離感やロックに対するとらえ方の違いが明らかに・・・。僕の所属するTHE WEMMERもアメリカツアーの経験があって、共感する部分もありました!
ロッキー | アメリカ、ヨーロッパなど世界中でライブをしているKING BROTHERSですが、今回のニュージーランド&オーストラリアツアーに至った経緯を教えてください。 |
ケイゾウ | 2000年代の中ごろに“Blues”というアルバムをリリースしたのだけど、そのころに知り合った「The White Stripes※1」のツアーマネージャーがニュージーランドの人だった。その人に呼ばれてニュージーランドと、オーストラリアのツアーを回ったのが最初だったと思う。
最初のツアーは「MINT CHICKS」という日本ではあまり知られていないけど、凄くカッコいいパンクバンドとのツアーだったかな。2度目に行ったときは当時まだ10代だった「The DHDFD’s※2」との接点もできて、その後は彼らを日本ツアーに呼んだりニュージーランドのツアーを組んでもらったりして現在に至るよ。
オーストラリアではIn-Fidelity(ex-Au Go Go Records)というレーベルからアルバムを1枚リリースしたり、メルボルン在住の日本のバンド「マッハペリカン」などにもお世話になったりとゆかりが深いんだよ。 |
ロッキー | 現地のオーディンスのライブの反応は日本の反応とは違いますか? |
ケイゾウ | 海外でプレイして感じるのは、お客さんの年齢層が高いということかな。日本だといわゆるいまのロックというのは、キッズ向けのアイドル音楽ばかりが主流になってしまうのだけど、海外だとロックってもう少しインテリなイメージ。
ロックのアティテュードも理解している人が多い気がするかな。反応としては基本的にお酒を飲みながら友達と批評しながら楽しんでいる人達が多いイメージだから、基本的にはみんながノリノリだと思うよ。 |
※1 The White Stripes:グラミー賞受賞など2000年代のアメリカを代表する2ピースガレージロックバンド。2011年解散。
※2 The DHDFD’s:ニュージーランドのパンクバンド。KING BROTHERSとはスプリットアルバムを制作するなど親交が深い。
日本のロックについて海外の人はどのように反応する?
Photography :Crawford Photography https://www.facebook.com/CrawfordxPhotography/
ロッキー | 日本のロックに対してニュージランド、オーストラリアの人たちはどう思っているのでしょうか? |
ケイゾウ | どうだろう、ワーキングビザなどの関係もあって、日本人や日本の文化というのが凄く珍しいというわけではないと思うけど。言葉も違う日本のロックに対して、あえて興味を持つってことはなかなか無いと思うんだよね。
ただ「ギターウルフ※3」のように直接自分の国にやってくる日本のバンドが、銀河系レベルで猛烈に凄いバンドだと「おい! 日本っていったいどんなロックな国なんだ!」ってなることはあるかもしれないね。 |
ロッキー | 僕らがアメリカでライブをやる意味は答え合わせな部分があります。「あ、WEMMERの音楽は間違っていないんだ。ちゃんと認められるんだ」とアメリカツアーに行って思いました。KING BROTHERSの日本を飛び出して、海外でライブをやる意味とは? |
ケイゾウ | うんうん。自分の場合はもともと、アメリカのインディペンデント音楽が好きで。
「俺もアメリカでロックしてみてえなぁ」とか「ジョンスペンサー※4にいつか会って、お礼を言いたいなぁ」とか思いながらロックしていたら、最初にレコードを出してくれたのがアメリカのレーベルだった。
しかも、そのまま大規模なツアーをさせてくれたのも最初はアメリカだった。そこからいろいろなところや人へとつながって行くのだけど、大好きなロックンロールを追求しながら、世界中にコネクトしながら仲間を増やすのはすごく面白いことだと思うんだよ。
言葉や人種は違えど、ロックンロールという音楽でつながっているってとても凄いことだよね。 |
※3 ギターウルフ:銀河級のロックンロールバンド。アメリカのロックファンのあいだでは、「クレイジーすぎる日本のバンド」として絶大な人気を誇る。
※4 ジョン・スペンサー:正式名称「The Jon Spencer Blues Explosion」。アメリカ合衆国ニューヨーク州出身のロックバンド。バンド名が長いため「JSBX」や「ジョンスペ」という略称で呼ばれることも多い。
どうして東名阪+静岡・・・!?
Photography : Yunis Tmeizeh http://yunistart.com/
こうして海外ツアーを回っていたKING BROTHERSですが、12月からは国内でのワンマンライブツアー。いったいどのような、意気込みを持っているのでしょうか。気になる静岡での公演理由も含めてお届けします。
ロッキー | ニュージランド&オーストラリアツアーから帰国してすぐにワンマンライブがあります。今回のツアーで持ち帰ってきた空気感を、日本のオーディエンスに届けるなどの意図があったんでしょうか? |
ケイゾウ | 今年もニューアルバムはリリースできなかったのだけど、曲はすでに揃えてあるんだ。いまはそれをいろいろな場所でプレイしてみたり、発展させながらパワーアップさせたりしているところで。各地で鍛えあげた最新のキングブラザーズを、今回の凱旋ワンマンに持ち込めたらなと思っているよ。 |
ロッキー | じつは、一番お聞きしたかったこととして、公演場所のことがあります。今回4公演は東京、大阪、名古屋、静岡です。
大都市ではない「静岡」を入れてくださって、僕を含め静岡のアーティストやファンはめちゃめちゃ嬉しいと思うのですが、ズバリ「静岡」を入れてくださった理由とはなんだったんでしょうか? |
ケイゾウ | それはもちろん、静岡には君たちウェマーがいるからだよ。
ウェマーの最近の活動はバンドで映画を作ってみたり、仲間たちとカッコいいアートワークを完成させてホテルのプールを使ったイベントを企画してみたりと、とても独創的でユニーク。おまけにとてもポジティブな雰囲気もあって非常に素晴らしいと思うよ。
みんなが君たちを真似すればいい、そこでキングブラザーズがどこかに接触したり発言することで、少しでもそこに注目が集まるならとても光栄で嬉しいな。 |
自分の育った街でロックンロールを続ける理由
Photography : Crawford Photography https://www.facebook.com/CrawfordxPhotography/
ロッキー | 僕が静岡を叫び続ける理由、生まれ育った静岡を大切にしながらロックを続ける理由ってKING BROTHERSにあるんです。高校生のときにKING BROTHERSのライブを見たときに、みなさんは故郷「西宮」を叫んでいました。
僕にとってそれはとてつもない衝撃だったんです。自分の街を誇りに思うことってカッコいいことなんだなって、誰も教えてくれなかったことをKING BROTHERSのライブは教えてくれました。 |
ケイゾウ | 嬉しいね。俺もマーヤくん(メンバー)から教えてもらったのかもしれない。
自分もライブのスタートに「西宮からやって来たKING BROTHERSです」とは言っていたけれど、彼はそれを突然お客さんの頭上に飛び乗り、何度も自分の街をコールさせたんだよね。
しかも世界各地のいたるところでね。それはひとつの発明かもしれないね。KING BROTHERSを観て「どこに住んでいようが、なんだってやれるぜ」って気持ちになってくれれば嬉しいね。 |
ロッキー | いま静岡を含め地方都市は、年々ロックをやる人口が少なくなっているなと感じてしまいます。だからこそ、地元を盛り上げていかなければいけないし、やれることは少なくないと思います。地方で活動するミュージシャンはどうしていけばいいんでしょうか? |
ケイゾウ | それは、みんなが静岡のウェマーを見習って、誰もがブッ飛ぶ面白いことを考えてみたり、イカした仲間たちと協力しながら、少しづつ自分たちの力でなにか生み出して行けばいいと思う。
青森の「夏の魔物※5」もしかり、地方でしか実現しえないことって以外とあると思うから。みんなの暮らしてる街を大切に、近くのご近所さんたちにも協力をしてもらいながら、少しづつなにかをはじめていけばいいと思うよ。 |
ロッキー | 最後にKING BROTHERSのライブをまだ見たことのない、miteco読者のみなさんにメッセージをお願いします。 |
ケイゾウ | 今回のワンマンライブでは、まだ音源化されていない新しい曲をたくさんプレイする予定です! オープニングアクトにはお気に入りの素晴らしいバンドが各地で出演してくれて、もちろん静岡は最高のバンド「THE WEMMER」が登場してくれます。
しかも来場者には素敵なCDのプレゼントもあって、高校生以下はなんと1,500円です。ライブハウスで前売りを購入するとポスターのプレゼントなどもあるので、ぜひ会場にも足を運んでみてください。それでは12月の日本でお会いしましょう!
ロッキーありがとう! |
※5 夏の魔物:青森県で開催される10年以上も続くロックフェス。全国で開催される野外フェスのなかでもずば抜けた存在感を持っている。
12月10日は静岡でもっとも熱い場所へ!
ツアーの真っ只中にもかかわらず、快くインタビューに答えてくれたケイゾウ氏に感謝の気持ちでいっぱいです。この場をお借りして感謝したいです。ありがとうございました!
昔から憧れていたロックンロールヒーローにインタビューをするなんて夢にも思っていませんでしたが、やればできるというか、行動していたら叶うことってあるんだなと思いました。自分のことばかりでごめんなさい。でもなんだか胸がいっぱいです。
読者のみなさんに今回の記事で、ロックに、バンドに、KING BROTHERSに興味を持っていただけたら僕は嬉しいです。そしてKING BROTHERSのライブをぜひ一度観てみてくださいね! 動画よりもCDよりも、生のライブは本当に衝撃を受けると思いますよっ!
ロックに目覚めるのはいつ、どんなキッカケでもいいと思います!!
ライブ情報 in 静岡
12月10日(土) KING BROTHERSワンマンライブ@静岡フリーキーショウ
opening act/THE WEMMER (静岡)
OPEN18:30/START19:00
前売一般3300円、高校生以下1500円、当日未定、(全て1Dr別、プレゼント付き)
*オフィシャルWEB/peatix先行特別価格2016円[枚数限定] (11/ 5正午より発売開始)*一般プレイガイド及び店頭発売は11月11日より発売開始、静岡公演のみ一般プレイガイドでの発売は無し(店頭販売/予約およびオフィシャルWEB、バンド予約のみ)
*ライブハウス店頭でのチケット購入は先着でポスタープレゼント(枚数限定) *高校生以下チケットの方は、当日身分証明書の掲示が必要となります*購入後のチケットキャンセルは不可
KING BROTHERS:凱旋 日本ワンマンライブツアー
12月4日(日) 新代田フィーバー opening act/カームアディクション(大阪)
12月9日(金) 名古屋ハックフィン opening act/すばらしか(東京)
12月10日(土) 静岡フリーキーショウopening act/THE WEMMER (静岡)
12月18日(日) 梅田シャングリラ opening act/Car10 (足利)
OPEN18:30/START19:00
前売一般3300円、高校生以下1500円、当日未定、(全て1Dr別、プレゼント付き)
*オフィシャルWEB/peatix先行特別価格2016円[枚数限定] (11/ 5正午より発売開始)*一般プレイガイド及び店頭発売は11月11日より発売開始、静岡公演のみ一般プレイガイドでの発売は無し(店頭販売/予約およびオフィシャルWEB、バンド予約のみ)
*ライブハウス店頭でのチケット購入は先着でポスタープレゼント(枚数限定) *高校生以下チケットの方は、当日身分証明書の掲示が必要となります*購入後のチケットキャンセルは不可
⇒KING BROTHERS 公式ホームページ http://www.kingbrothers.jp
Photography(アイキャッチ画像) : Yunis Tmeizeh http://yunistart.com/