ウワサの掛川警察署の防犯ソング!
『ドロボーはこまっちゃう!』の小話7つ
かつて、インターネットで話題になった掛川警察署の防犯ソングがあることをご存じですか?
『ドロボーはこまっちゃう!』というタイトルのこの曲。じつはさまざまな誕生秘話がありました。
作曲者の小原さんから聞いたこの防犯ソングの小話を7つご紹介します。
1.地元のボランティアが作った曲
かつて、『ドロボーはこまっちゃう!』は掛川警察署のホームページに掲載されていました。しかし、曲を作ったのは掛川警察署ではありません。
じつは、作詞や作曲、演奏を担当したのはボランティアのみなさん(小原さんを含む)。掛川地区防犯協会に参加する人たちが、「地域の防犯のために」と考えて作ったそうです。
いまは、掛川市のウェブサイト(掛川市:「掛川地区防犯協会の紹介」)からこの曲を聴くことができます。
2.著作権フリーだから誰が歌ってもよい
『ドロボーはこまっちゃう!』には著作権がありません。地域のボランティアの人たちが作ったからです。だから、悪用する意思がなければ誰でもカバーできます。
3.防犯対策は「音・光・時間・地域の目」
小原さんによると、『ドロボーはこまっちゃう!』の歌詞には以下の意味があります。どれも、空き巣被害を防ぐためには欠かせない対策です。
- 音と光で泥棒が入りづらい環境を作ること
- ピッキング対策に時間を掛けさせること
- 地域の目で泥棒が侵入しないように見守ること
4.ジャズをたしなむ社長が作曲・アレンジを担当
『ドロボーはこまっちゃう!』の作曲者である小原さんは、紳士服店のエビスヤ(掛川市連雀)を営んでいます。つまり、社長です。
さらに、ウッドベースが趣味で、3つのジャズバンドを掛け持ちしているそうです。
ちなみに、好きな曲はジャズのスタンダード・ナンバー、『On the Sunny Side of the Street』というお話でした。
5.ポルトガル語バージョンが誕生した理由
『ドロボーはこまっちゃう!』には、ポルトガル語バージョンが存在します。音源はどこにあるか見つかりませんでしたが、いまでも掛川警察署のウェブサイトで「歌詞カード(ポルトガル語・日本語)」を参照できます。
このバージョンが生まれた理由は、掛川市に多くのブラジル人が住んでいて、彼らがよく空き巣被害にあっていたからです。当時の掛川警察署の署長さんが依頼をして制作したという経緯があったとか。
6.ボサノヴァ調がある理由
ポルトガル語バージョンの『ドロボーはこまっちゃう!』は、物悲しいボサノヴァ調。こちらも小原さんのアレンジで、「さすがジャズマン」という感じですが、なぜボサノヴァなのでしょうか。
これはボサノヴァが、ブラジルから生まれた音楽だからです。空き巣被害で悩む彼らに届けるため、なじみやすい曲調にしたと言います。
7.ブラジル人から不評だった理由
ブラジル人のために作られた『ドロボーはこまっちゃう!』のポルトガル語バージョン。しかし、どうやら「歌詞の意味がわからない」と不評だったそうです。
ブラジル人は、「自宅にカギを掛ける習慣がない」「家を明るくしても、泥棒は銃を持って襲うから意味がないのではないか?」と感じたと言います。お国柄の違いで防犯への意識は広まらなかったのです。
とにかく『ドロボーはこまっちゃう!』は、地元の人たちの熱い想いから誕生しました。掛川市はダイバーシティに先駆けて、外国人のために防犯対策を呼び掛ける先進的な都市・・・というと言いすぎでしょうか!?