学生の演奏する『交響曲第九番』はレア!?
静大管弦楽団が贈る100回記念公演の楽しみ方

  • posted.2018/12/23
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学生の演奏する『交響曲第九番』はレア!?  静大管弦楽団が贈る100回記念公演の楽しみ方

どうも、カラオケで平均点を越えたことがないIVYです。

いきなりですが、クイズイントロドン!

 

てれれれ~れれれれ~れれれれ~れ~れれ~

てれれれ~れれれれ~れれれれ~れ~れれ~

 

答えはルートヴィッヒ・バン・ベートーヴェンの『交響曲第九番』。通称『第九(だいく)』です。人類の宝とされるこの曲、とくに第四楽章「歓喜の歌」は肌寒い時期になると耳にする機会も増え、年末の風物詩といっても過言ではないでしょう。

それだけでなくCMやドラマ、映画、アニメなどさまざまなところで使われているため、知らない人を探すほうが難しいかもしれません。

ですが、第九をすべて聴いたことはありますか? 有名なフレーズは第四楽章の一部で、1~3楽章はピンと来ないと思います。

「YouTubeとかで聞けるじゃん」と思ったそこのあなた。1時間以上もあるクラシックを、パソコンの前で聞いていられますか? せっかくならコンサートホールで、生の第九の感動を知りたくありませんか?

 

え? お高いんでしょうって?

 

いえいえ、たった1,000円で第九が聞けちゃうから記事を書いているんですよ!!

紹介するのは12月24日(月)に清水マリナートで行われる、静大管弦楽団による「第100回記念定期演奏会。静岡大学管弦楽団の団長・松尾諒介さんにお話を聞いてきました。

image2

松尾諒介

九州男児。静岡大学管弦楽団団長。コントラバスを担当。コントラバスを始めたのは高校2年生から。好物はサーモン。

学生の演奏会で第九は珍しい

image2演奏会への思いを語る松尾さん

―今回は第100回記念コンサートということですが、かなり伝統のある団なのですね?

顔抜き

松尾

はい。静岡大学管弦楽団は1962年創立で、1964年の第一回演奏会からほぼ年2回、演奏会を行ってきました。今回で100回目になります。曲目はブラームスの『大学祝典序曲 ハ短調 作品80』と、ベートーヴェンの『交響曲第九 ニ短調』です。

image3舞台袖から

—なぜ第九を選ばれたのでしょう。年末だからでしょうか?

顔抜き

松尾

年末というより、100回目という節目なので「なにか大きなことをやりたいな」と思っています。そしてみんなで考えた結果、合唱付きで難易度の高い第九を選びました。

 

この曲には「人類は皆兄弟」というメッセージが込められており、思想としてもすばらしくて。そういったことも含めてですね。あと、知名度です(笑)

―知名度は大事ですからね(笑)第九は難易度も高いのですか?

顔抜き

松尾

高いです。曲自体の難易度はもちろん、第九は全員が合わせなければ曲にならないところが難しくて。曲によっては個人の技術があればなんとかなったりするのですが、第九はみんなで力を合わせないとできません。

―オーケストラで合唱は珍しいですよね? 合唱は団員の人たちがやるのですか?

顔抜き

松尾

さすがに人も技術もないので、合唱は外部の方に協力を依頼しました。今回は約150人の方に協力してもらいます。

―そんなにいるんですか!? 合唱ってとても大変ですね。

顔抜き

松尾

はい(苦笑)学生の演奏会で、第九の合唱はすごく珍しいと思います。やはり多くの人を外部から呼ぶ必要があり、いろいろと大変なので。それでも今回は100回記念ということで選びました。実現できるのは、多くの方々に協力していただいた結果です。

image4練習の様子。手前が静大管弦で奥が合唱団の方々

―なるほど。学生の第九は珍しいとのことですが、静大管弦ならではの魅力はありますか?

顔抜き

松尾

ふたつあります。ひとつは学生のパワフルさでしょうか(笑)もうひとつは、やる気です。

 

この時期、第九はいろいろなところで演奏されるので、合唱に参加するチャンスは意外とあるんですよ。それでも「静大管弦の演奏会で歌いたい」という方に集まっていただきました。僕たちは100回記念ということで、いつも以上にやる気です

過去と未来を見据える第100回

image5練習中の松尾さん

―演奏会での目標などはありますか?

顔抜き

松尾

普段の定期演奏会は中ホールで行うのですが、今回は1,300人入れる大ホールで演奏します。目標は満員!!! ……と言いたいのですが、1,000人越えが目標です。

 

また、第九という難しい曲を演奏します。これは「僕達はここまでがんばれる」ということの証明になるかなと。これから101回、102回と続いていくと思いますが、後輩たちが僕たちを高く追い越すような“節目”になれたらいいなと思います。

―なるほど。静大管弦のひとつのターニングポイントになるようにということですね。

顔抜き

松尾

そうです。また、節目として先を見るだけでなく、過去も振り返れたらと思います。そういう意味で演奏会場にてギャラリー展示を行う予定です。

—展示ですか? どのようなものを展示するのでしょうか?

顔抜き

松尾

静大管弦は60年近くの歴史があります。部室には過去の写真や活動ノートが放置……残されていまして(笑)それらを整理し展示しようかと考えています。過去のパンフレットなども見つかりました。

―ちょっとした歴史資料展ですね。

顔抜き

松尾

そうです。白黒時代の写真などもあり。OGOBの方はもちろん、それ以外の人たちが見ても楽しめると思います。

節目に「第九」がつなぐ人との縁

image6

―60年ちかい歴史のある管弦楽団の、節目となる記念演奏会。さまざまな苦労があったと思いますが、松尾さんにとってこの演奏会はどういうものですか?

顔抜き

松尾

今回は特に、いろんな方たちの協力により実現した演奏会です。先生のご紹介だったり、OGOBの方に協力していただいたりと、人の縁によって実現できました。また、この演奏会がきっかけで再会したという方もいたりして。そういうのを見て、人との縁が大事だということを再確認できました。

 

100回目の演奏会はただ演奏して終わりではなく、未来へとつながる演奏会になったらいいなと思います。

1824年にベートーヴェンが作曲してから約200年、今でも世界中で愛されている『交響曲第九番』。ベートーヴェンはこの曲にどんな想いを込めて作ったのでしょうか?

時代を超えて愛される理由は、人同士が繋がる喜びを感じさせてくれる、「人類は皆兄弟」の想いに共感するからかもしれません。

最後に余談ですが、「クラシックの観賞は私にはちょっと……」と思っている控えめなあなた。クラシック観賞のコツをご紹介しましょう(僕も初心者なうえに受け売りだけど)。

1.眠くなったら寝る。

欧米のコンサートでも、すやすや寝てる人はいます。気楽に鑑賞しましょう。でも、いびきでほかの人の邪魔はしちゃだめですよ!

2.飽きたら個々の演奏者や観客を観察しよう。

1時間以上も集中して聴いているのは正直辛いです(個人談)。疲れてきたら演奏している人の表情を見てみたり、楽器を観察したりするとよい休憩になりますよ。

3.とりあえず聴いてみよう。

なにがともあれこれ。

あなたにとってこの記事が、なにかの縁となれば幸いです。少し早いですが、メリークリスマス! そして、よいお年を!

静岡大学管弦楽団 第100回記念定期演奏会

日程:2018年12月24日(月)

開場・開演:13:00開場、14:00開演

料金:前売 1,000円、当日 1,100円(自由席)

HP:http://shizudaiorch.web.fc2.com/concert100.html

チケット購入方法:

  1. 当日購入(1,100円)
  2. チケットぴあで予約購入(1,000円)
  3. 事前予約して当日お支払い(1,000円)

※事前予約は静岡大学管弦楽団HP予約フォームから

静岡市清水文化会館マリナート(大ホール)

住所:〒424-0823 静岡県静岡市清水区島崎町214
電話番号:054-353-8885