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Facebook、Instagram、Twitter、Pinterestの各ソーシャルメディアで、BUYボタンのテストが行われているのをご存じですか?
今回は「BUYボタンに見るソーシャルメディアマーケティング最新動向」と題して、ソーシャルメディアマーケティングの動きを掴んでいきたいと思います。(2015年6月時点)
BUYボタンをテストする意図や背景はどこにあるのか?ソーシャルメディアマーケティングは、どこに向かっているのか?
EコマースとFacebook、Instagram、Twitter、Pinterestの歴史を振り返り、ソーシャルメディアマーケティングの最新動向を見ていきましょう。
Contents
まずはEコマースの歴史を、かんたんに振り返ります。
筆者の所感では、現時点でもEコマースという言葉は一般的ではありません。ECや、ECサイトと言っても、インターネット業界以外では、通用しないことが多々あります。一方で、生活レベルで見てみると、Eコマースは多くの人々が利用しています。もはや生活する上で、なくてはならない存在だと言えるでしょう。
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Amazon、楽天に代表される、モール型ECサイトが誕生したのは、1990年代中盤〜後半です。今から、20年ばかり前ですが、ブログが誕生したのはだいたい2000年前後です。大手のモール型ECサイトが、早くから市場に参入したことがわかります。
一方で、ソーシャルメディアの起こりは、いつごろでしょうか?Facebook、Instagram、Twitter、Pinterestの歴史を、それぞれ見てみたいと思います。
マーク・ザッカーバーグが、Thefacebookをスタートさせたのは、2004年です。
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先ほど、Eコマースの誕生を1990年代中盤〜後半と伝えました。ちなみに本国アメリカのAmazon.comは、1994年にスタートしています。代表的なソーシャルメディアであるFacebookは、Amazon誕生から10年たって、スタートしたことがわかります。
参考記事:Facebook−Wikipedia
InstagramがAppleストアに登場したのは、2010年です。
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構想自体は以前からあったようですが、それでもその他のソーシャルメディアにくらべて、後発だといえます。他のソーシャルメディアにくらべて、モバイルファーストで開発をすすめた点は、時代の流れを的確にとらえていました。ちなみに2012年に、Facebookから10億ドルで買収されました。
参考記事:Instagram−Wikipedia
Twitterが誕生したのは、2006年です。Facebook誕生から、約2年たってスタートしました。
共同創業というかたちで、エヴァン・ウィリアムズ、ビズ・ストーン、ジャック・ドーシーの3人が中心となって開発されました。
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140文字以内で、リアルタイムに相互の状況を把握する、という基本思想は今なお存在します。ただ文字中心だったツイートも、次第に画像や動画が多く見られるようになりました。
参考記事:Twitter−Wikipedia
Pinterestは、Facebook、Instagram、Twitterにくらべ、馴染みがうすいサービスかもしれません。
Pinterestは、ピンでボードに写真をとめるように、WEB上で好きな画像をコレクションできるサービスです。他の人のボードで気に入ったものがあれば、そのボードをフォローすることができます。この点が、ソーシャルメディアである、ゆえんです。
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女性からの人気が圧倒的に高く、おいしそうな食事や、自分でつくったハンドメイド作品、気に入ったファッショングッズの画像などを、ピンでとめることが多いです。
Pinterestの誕生は、2009年なので、Facebook、Twitterにくらべて後発だといえます。
参考記事:Pinterest−Wikipedia
それではここから、4大ソーシャルメディアの最近の動きを、見ていきましょう。
日本ではまだ、FacebookのBUYボタンは、お目にかかれないようです。
ただ本国アメリカでは、再三テストを繰り返しています。今までも、新機能を実装する際は、まず一部のユーザーでテストが行われるので、正式リリースに向けて準備をととのえているのでしょう。
出典:Facebook、Shopifyと共同で「Buy」ボタンのテストを開始−Shopping Tribe
最近では、オンラインショップカートサービスのShopifyと連携して、BUYボタンのテストを行っています。Facebookのニュースフィードから離脱することなく、そのまま商品購入できる導線は、顧客の購買体験をよりスムーズなものにするでしょう。
ただオンラインショッピングは、画像を見てすぐに購入にうつるほど、心理的なハードルが低くありません。初見の商品であれば、なおさらです。いかに良いコンテンツで訴求できるかが、鍵になりそうです。
参考記事:Facebook、Shopifyと共同で「Buy」ボタンのテストを開始−Shopping Tribe
Instagramのボタンは、正確にはBUYボタンではなく、SHOP NOWボタンと呼びます。
出典:Instagram for Business blog
画面右下に、『SHOP NOW』と記載されたボタンがありますね。
Instagramは、ユーザー体験を損なうことなく、広告主にとっても良いプラットフォームを提供することで、WIN-WINの関係性をつくりたいという狙いがあります。また、その狙いがうまくいくかという点と同時に、Facebookとの連携もひじょうに興味深い点です。前述した通りInstagramは、Facebookに買収されているため、シナジーをどう活かすかに、注目が集まります。
Twitterは収益向上のため、Eコマース化を再三チャレンジしてきました。
出典:Twitter、「Buy」ボタンを実装していよいよコマース分野に本格参入−TechCrunch
現時点では、まだテスト段階ですが、一部ユーザー向けにBUYボタンが実装されています。Twitterの魅力の一つは、リアルタイムでつぎつぎに更新されるタイムラインです。また、リツートによる拡散力も、ひじょうに高いものがあります。TwitterをEコマースとしてとらえた場合、こうした特徴がユーザーにどう受け入れられるのか、注意深く見守っていきたいです。
Pinterestは、アメリカ限定でBuyable Pinsを公開しました。画像のとおり、『Buy it』のボタンがそれにあたり、今までと変わらず、気に入った画像をピンでとめる感覚で、商品を購入できるようになりました。
出典:Pinterest official web-site
商品を購入するというアクションと、画像をピンでとめるというアクション。ユーザーが2つのアクションを近いモチヴェーションで行う可能性は、十分あります。Facebook、Instagram、Twitterにくらべて、Pinterestが一番、Eコマースとの親和性が高いかもしれません。
ソーシャルメディアはインターネットの鍵(キー)である、「リンク・シェア・フラット・グローバル」を最大限に活用する、非常にインターネット的なサービスです。(参考:【おすすめ本】「インターネット的」には、インターネットの本質が書いてある。)
ここに挙げた4つのソーシャルメディアは、それゆえ成長スピードが凄まじく、ものの数年で数千万〜億単位のユーザー数を集めました。しかし一方で、無料でユーザーにサービスを提供するため、収益化は常につきまとう問題でもあります。
今までは、主に広告をはじめとする取り組みやすい収益化をしてきました。そして、ソーシャルメディアマーケティングが世に浸透してきたのが近年。さらに今、このタイミングでEコマース化をすすめることで、更なる収益向上を図ろうとしています。
最新動向としては、目下のところテストをすすめているようですが、テスト期間が終われば、本格的に機能が実装されるフェーズを迎えます。今後は、各ソーシャルメディアが、いかにユーザー体験を損なわないように、うまくEコマース化できるかに注目していきたいと思います。今回もご一読いただきありがとうございました。
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