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COLUMN

- 2020.03.01 - OTHER

「グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ」に学ぶ8つのこと

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グレイトフル・デッド
グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶだって?

この本の存在は、私にとってずいぶんと長らく頭の片隅にあったけど、本を手にとって読んだことはなかった。

まるで"その時"を待っていたかのように、2015年の夏に「グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ」のページを開いた私は、一気に読み進めてしまった。

本書は、インバウンドマーケティングの先駆者的な存在であるHubSpot(ハブスポット)のCEO、ブライアン・ハリガンと、デイヴィッド・ミーアマン・スコットの著書だ。

そして、忘れてはならない翻訳者は、渡辺由佳里さん。で、なんと糸井重里さんが監修をしている。「インターネット的」は前にご紹介したけど、糸井さんとなにか不思議な縁があるのかもしれない……と勝手に妄想している。(そうであればすごくうれしい)

それでは今回は本書をまだ読んでいないマーケッターのために、「グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ」に学ぶことを8つに厳選してお届けしたい。

1. マーケティングって何だろう?

と、その前に、マーケティングって、何だろう?(いきなりの問いかけだけど……)

「グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ」は、たしかにマーケティングを学ぶ本だけど、グレイトフル・デッドがマーケッターではないってところがポイントだと思う。

マーケティングを学ぶ一番の方法は、伝えたいもの(商品・サービスでも、音楽でも、本でも)があって、それを伝えたい人に、必死に伝えようとすることかもしれない。

もちろんインターネットでマーケティングをするなら、コンテンツマーケティングや、SEOを理解していることは大事だけど、マーケティングの本質ではないと思う。

パタゴニア

ちなみにパタゴニアは1972年からコンテンツマーケティングをやっていた。この発見をした私は心の中で、ワオ!と叫んだ。

2. マーケティングを学ぶ?

私は、「誰に、何を伝えるのか?」で、マーケティングの方法は決まると思う。

だから、「誰に?」か「何を?」が変われば、マーケティングの方法は変わるし、近しいパターンはあれど、正解だと言われる方法は無いように思う。だから、グレイトフル・デッドの事例を、そっくりそのまま使おうとしてもダメなわけで……。

「マーケティングを学ぶ」とあるけど、この本は教科書ではないので、巻末に正解が書いてあるわけではない。たくさん見つかるヒントをもとに、最終的には自分が伝えたい相手に(誰に?)、伝えたいこと(何を?)を伝えることが大事だ!と思う。

3. 「グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ」に学ぶ8つのこと

ここでは、この素晴らしい本で学べるヒントの、ほんの一端をご紹介したい。全部で8つあって、本書の引用文に、すこしだけ私の経験を元にした文章を添えさせていただいた。

もしなにかを感じていただけたのなら、本書を手にとっていただきたい。装丁も素敵だし、もちろん本の中身もワクワクする、心からおすすめできる本だ。

では、「グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ」に学ぶ8つのことをご紹介する。

3-1.コンテンツを無料で提供する

ほかのバンドと違って、グレイトフル・デッドは観客によるライブの録音を奨励していた。ライブを録音するファンは「テーパー」と呼ばれ、彼らがなるべく高い音質で録音できるよう専用の場所がミキシング・コンソールの後ろに設置された。

忘れてはならないのが、これがYouTubeのYの字もなかった時代だってことだ。いや、もうすこし過去にさかのぼって話すと、Napsterもなかった時代のことだ。(当然ながら!)

クリス・アンダーソンの「FREE」が発刊されたのは2009年だから、いかにグレイトフル・デッドが先進的な考えを持っていたかが、はっきりとわかる。

ことコンテンツマーケティングにおいて、読者にとってのコンテンツは基本的に無料だ。あなたが読んでいるこのコンテンツも、私が土曜の朝の貴重な時間を使って書いているが、誰にもお金を払っていないはずだ。(これは、もちろん愚痴や文句の類ではない。)

コンテンツ

コンテンツを無料で提供することで、人々はあなたのコンテンツに関心を持つ。そして、だんだんと親近感を抱き、いつか(保証はできないけど)あなたの商品・サービスにお金を払うようになるだろう。

その時にはきっと、人々はあなたやあなたの会社に対して、十分なほどの親近感を持ち、あるいは愛着すら感じて、あなたが期待する以上の貢献をしてくれることだろう。(それって素晴らしいことだ。)

3-2.ソーシャルメディア・口コミで広く知ってもらう

テープをコピーしたり共有したり創作したりすることを、グレイトフル・デッドは許した。その唯一の条件は、商業目的で録音を販売しないことだった。

コンテンツを広く世に広めるためには、ソーシャルメディアや口コミで、人々がシェアしたくなるコンテンツをつくることとが大事。……と、それは当然のこととして、前提として「シェアしてOKですよ!」という態度をとるべきかもしれない。

グレイトフル・デッドが禁止しなかったために、その音楽はファンによって広めやすくなった。

抽象的な話だけど、人がコンテンツをシェアする時には、なにかしらのワオ!があると思う。それは、ややおおげさに言うなら、感動と呼べるかもしれない。

ワオ!があるコンテンツを無料で提供して、シェアしてOKですよ!という態度をとれれば、より多くの人に伝えたいことを伝えることができる。(もちろん、このコンテンツもシェアしてOKですよ!)

3-3.ブランドの管理をゆるくする

グレイトフル・デッドは、ツアーでは宣伝テーマにはほとんどこだわらなかった。ライブごとにポスターのデザインが変わり、わずか数日後のライブでまったく違うデザインのポスターが使われることもあった。

これは、なかなか勇気がいることだろう。特に大企業のマーケティング担当者にこの話をしても、首を縦に振らせる自信は、正直あまりない。そう、誰でも炎上の2文字は怖い。

しかし、オウンドメディアの構築~コンテンツの継続的な更新は、並大抵の努力では立ち行かない。『継続的な』というのが、とても骨が折れること。

その上、ブランドの管理をかっちりガチガチにやってしまうと、必要以上の労力がかかる。その点のバランス感覚は、時にグレイトフル・デッドを見習うべきなのかもしれない。

3-4.マーケティングをしないというマーケティング

グレイトフル・デッドは、自分たちが変わり者でいることで、ファンにも風変わりであることを奨励し、クリエイティブに表現する機会を与えた

変わりものでいいじゃないか?と、グレイトフル・デッドのメンバーが言ったかどうかは、わからない。でも、そういったメッセージを受けとることができる。

逆説的だけど、「マーケティングをしない」というのも、「マーケティング」なのかもしれない。

コンテンツマーケティング

他人とは異なる自分でいたい人を狙え

ありのままの(変わりものの)自分を、商品を、サービスを、そのまま発信していると、注目が集まるだろう。なぜなら、変わりものということは、それがユニークだということを意味しているからだ。

ユニーク、つまり特異であれば、マーケティングをせずとも、"他人とは異なる自分でいたい人"が集まってくるのかもしれない。

3-5.マーケティングは実験のくり返し

グレイトフル・デッドは全部で2,300以上ものライブを行ったが、即興による演奏スタイルを取ったため、それぞれまったく違う内容だった。ジェリー・ガルシアによると、ライブの80%は即興で、ほかのバンドのように同じ曲を同じように演奏するスタイルに近いものは、20%だったらしい。

マーケティングは実験の繰り返しだ。当ブログでも、数えきれないくらい実験をして、たくさん失敗に終わっている。

特にWebマーケティングは、レスポンスが数値で計測できる。それゆえに、トライしたマーケティング手法がどれくらいダメだったのか、如実にわかる。

以前、バナーの作り方を紹介した時に、ABテストを正しい方法で実践することがキーポイントだと述べた。

「バナーの作り方」をマーケティングに置き換えても、そう間違いではない。正しい方法でABテストを繰り返していくことで、すこしずつ"正解に近いもの"が見えてくる。(でも、"正解"ではない……。)

大事なことは、実験を繰り返すことだ。"正解に近いもの"を"正解"に限りなく近づけていくために、実験を繰り返す。「マーケティングは実験」とは、よく言ったものだと思う。

3-6.自分が好きなことをコンテンツにする

グレイトフル・デッドは、自分たちがやっていたことが本当に好きだったのでそれをやり通した。そしてもちろん、結果的に成功した。

コンテンツマーケティングは、継続的に良質なコンテンツを更新していくことが大事だ。

しかし、継続的に良質なコンテンツを作ることは、本当に骨が折れることでもある。たとえば当ブログは、現在はアクセスが安定してきたため週1回くらいの更新だが、以前は週3~4回の時もあった。

週3~4回で更新する場合、1人で更新するなら他の業務はほぼできないと言っていいだろう。2人でやるなら、どちらか一方が主担当として更新を手がけて、もう1人がフォローする形になるだろう。

そう。お気づきかもしれないが、コンテンツマーケティングを中途半端な気持ちではじめても、何も残らない。いや、コンテンツは残るが恒常的にアクセスを集めるメディアを作ることは、簡単なことではないのだ。

おすすめは、自分が好きなことをコンテンツにする方法だ。好きなことであれば、コンテンツを作るのも、そこまで苦ではない。ただ、そうは言っても趣味でやるでもない限り、好きなことをコンテンツにできるケースは稀だ。

ということで、ぜひ当社に任せていただきたい

3-7.ライバルと手を組む

たいていのロックバンドは、オフィシャルグッズが確実に売れるようにするために、駐車場での商品の販売を禁止する。グレイトフル・デッドもライブの会場内で自分たちのグッズを販売するが、彼らは行商人コミュニティとも手を組んだ。

グレイトフル・デッドは、ブランドの管理をゆるくしてファンを取り込んだかと思いきや、行商人コミュニティとも手を組んだ。(グレイトフル・デッドの考え方がいかに先進的だったのかが、こういったエピソードでわかる。)

オウンドメディア

メディアに置き換えると、自分たちのコンテンツを、近しいテーマを扱うメディアに開放することに近いだろうか。コンテンツを開放することで、メディアはより多くのアクセスを集めるし、今までメディアに興味を持っていなかった新しい顧客に対して訴求することができる。

3-8.ファンを大切にする

グレイトフル・デッドは、いつもチケットの販売を真っ先にファンに知らせた。ライブで良い席を確保するためには、バンドの動きを常に追い、公演スケジュールを知っていなければならないので、ファンの忠誠心は強くなった。

何事もそうだが、ファンは貴重な存在だ。そのことをグレイトフル・デッドは、よく理解していたし、かつ実際にファンを優遇していた。

インターネットはないから、ファンへの連絡は手紙で行われた。おそらく、グレイトフル・デッドのメンバーからの普段着の言葉が書かれていたはずだ。(ファンは、その手紙に歓喜しただろう。)

Webマーケティングで考えると、メールマーケティングが近いように思う。ファンに対して、真っ先にお得な情報を送ったり、イベントの良い席を確保して知らせることで、ファンの忠誠心はより強くなるだろう。

まとめ|マーケティングを学びつづける

何度も繰り返すが、ぜひ「グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ」を読んでいただきたい。

グレイトフルデッド

「グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ」

ここで書いた内容は、本書の数パーセントしか伝えられていない。マーケティングに携わる人も、そうでない人も、「誰かに何かを伝える」ことは、人生においてとても大事なことだと思う。

さて、私にとってのマーケティングは終わりが見えない。うまくいったと思えたとしても、100%伝えられるわけがないし、明日はきっとより良い方法を思いつく気がするからだ。

だからこれからも、マーケティングを学びつづけていく。

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